第5話
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もいい。今は見られたか見られてないかが重要なのだ。
「――――はうぅ」
ふっ・・・・・・・・どうやら間に合わなかったらしい。アーシアは全身を紅潮させて、顔を背ける。
(ちょっと、隠そう、隠そうよ! 見えてるから! それとも、隠すの忘れるくらい俺の息子はグロいですか!? でも、眼福です! ありがとうございます!)
そんなことを考えていたが、ふと、解決方法を思いついた。
「ご、ごめん! 俺出てくから!」
そう、退避である。これですべて解決する。そう思ったが―――
「すみません。そ、その男性のを見たのは初めてでして、すみません」
なぜかアーシアに腕を掴まれて、引き止められていた。しかもなんか「すみません」って謝られてる。悪いのは俺なのに。
「い、いや、俺も悪かったよ・・・・・・・・。確認せずに風呂場に入ってきちゃったし。それにアーシアの・・・・・・・いろいろ見ちゃったし」
俺もアーシアに謝罪する。ホントにちゃんと確認するべきだった。住む人が増えたんだから注意すべきだった。だが、アーシアの裸は脳内メモリーに保存したぜ! これは後悔も反省もしてない!
ちなみに、渚が入っている時に風呂場に入ってしまい、鼻血を出して気絶したのは黒歴史だ。
そんな時だった。不意に風呂場の扉が開く。
「アーシアちゃん。バスタオル、ここに置いて―――――」
現れたのはお母様でした。タオルを洗濯機の上に置きに来たらしい。しかし、俺とアーシアを視界に映すと、そのままの姿勢で固まってしまった。
・・・・・・・・・・・・フ、フハハハハハハ! 言い訳できねぇよ、こんちくしょう! どう見ても風呂場で情事をしようとしている男女のようにしか見えない!
母さんは、カクカクとした動きで風呂場を出ると、叫んだ。
「お、お父さーーーーーーーんっ! 渚ぁぁぁっ!! 孫が! 孫ができるわよーーーーー!」
「「なんだって!?」」
父さんと渚の声が聞こえた。
「か、母さん! それはホントなのかいっ!」
「そうだよ母さんっ! ホントなの!? 僕はこの歳で叔父さんにはなりたくないよ!? 兄さんゴムしてなかったの?!」
俺は全裸のまま、お風呂場を飛び出した。アーシアが唖然としているが今は構ってられない。俺は両手で顔を覆いながら、自室に駆け込む。俺は自室で強く強く思った。
(死にたい!! 誰か俺を殺してくれぇぇぇぇぇぇ!!!)
■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■
次の日の朝。
両親は渚を連れて深夜営業のディスカウントショップに行って、赤ちゃん関係のものを買ってきたらしい。俺がどんなに言い訳しても、
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