第八十七話 やっぱ敵に回すと危険だこのメイド!
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ができない。
「ママ……トーゴが……死ぬ?」
疑問形じゃなくてホントに死にそうなんだよヒナ……。
「これこれフレンシア、寂しいのは分かるがそろそろ行かないと」
オルトロが呆れながら言葉を放つ。
名残惜しそうに闘悟を話すフレンシアだが、突如(とつじょ)思いついたように笑顔を作る。
「そうだ! ねえトーゴくん! 今度また家に来なさい!」
「へ? 家に……ですか?」
「ええ、ヒナも喜ぶし、それに実はトーゴくん、うちのメイド達もまた会いたいと言ってるのよ」
初めてヒナの家に行った時、たくさんのメイドに囲まれて殺意を向けられたことを思い出す。
どの人も美人メイドだった。
「そうよねニコ?」
近くに控えていたメイドのニコが頷きを返す。
相変わらず綺麗なオレンジ色の髪の毛がゆらゆらと揺れている。
「はい奥様。我々メイドも女です。若く逞(たくま)しい煮(に)え滾(たぎ)った男魂(おとこだましい)を持つトーゴ様に、興味を持っても致し方ありません」
言い方! 何か言い方が嫌だ!
「変な言い方しないで下さいよニコさん」
「はて? 変とは……申し訳ございませんトーゴ様。私にもう少し学(がく)があれば理解はできたのでしょうが…………もしよろしかったら教えて頂けませんか? どこが変だったのか事細かにお願い致します……トーゴ様?」
いきなり顔を近づけてくる。
よく見ると、この人もただならぬ美女なのだ。
気品の良い香水のような香りが鼻腔(びこう)をくすぐる。
ていうか、絶対わざとだよなこれ!
だって意地が悪そうに微笑んでるし!
「い、いや……」
「それとも二人きりの方が話し易いですか? トーゴ様がそこまで仰(おっしゃ)るなら仕方ありませんね。それなら奥様達をここでしばらく待たせておいて、二人で馬車でしっぽりと……しますか?」
「しないからっ! あと近いっ!」
とりあえずいろいろ突っ込むところが多過ぎる!
ご主人のはずの三人を外に待たせて自分だけが馬車にって、この人ホントにメイドなのか!?
あと何気なく腕をからめてくるのはホントに止めてほしい!
闘悟は必死にニコと距離をとる。
ニコは闘悟と離れても、一切(いっさい)表情を変えずに続ける。
「それは残念です。あ、これは配慮が足らなくて申し訳ございません。そうですよね、順番というものも大切ですよね?」
「はい? 順番?」
「ではヒナお嬢様と……しっぽり?」
「だからしねえってっ!」
何が順番だ! つうか自分はやる気満々かよ!!!
「しっぽりって……なあに?」
ほら興味持っちゃったじゃんか!
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