第八十六話 オレって場違いじゃね?
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気がする。
「あ、はい……もちろんですギレンさん」
「それは良かった。勘違いしちゃったら大変だからね……そう思うだろう? ね?」
「……はい」
この人には決して逆らわない方がいいと判断した闘悟だった。
「それにしても、君は一体何者なんだい?」
ブラスの言葉に、その場にいる皆が注目した。
静寂が周囲を包む。
だがこんなふうに質問をされることは予測していたので、闘悟は決して慌てていなかった。
闘悟のことを知っている者は、彼がどうするのかジッと見つめている。
もちろんその均衡(きんこう)を破ったのは闘悟だ。
「異世界人です」
平然と言い切った。
瞬間ブラスとギレンは時が止まったように硬直する。
ステリアは初めて会った時に暴露したので驚いてはいない。
「王に聞いてはいたが……」
そんな声を出したのはオルトロだ。
ふとその後ろに控えてあるメイドも珍しそうに闘悟を見つめている。
あれ? あの人は確か……そうだ、ヴァウス家のメイドであるニコさんだ。
彼女も逆らってはいけない人物にランキングされている人物のはずだ。
「黒髪……黒目……莫大(ばくだい)な魔力。確かに過去に現れた異世界人も、その特徴を持っていたと聞きます」
そう答えたのはフレンシアだ。
突然解説し出した彼女を皆が注目する。
「文献では約二百年前にも異世界人と名乗る人物が現れたと記録されています」
確か『ミサキ』という名前だった。
前に図書館に行って調べたことを思い出す。
あれから何度か図書館へ行って、調べてみて闘悟自身かなりの情報を得ている。
だが、それが本当に正しい情報なのかは定かではない。
「まあ、残念ながらその方が何かを成したという伝承は残ってはいませんが。ただ、世界各地を回って『アルメフ』というところで消息を絶ったらしいです」
さすがは三賢人の一人だ。
そんな情報も掴んでいるとはさすがだった。
「異世界人……彼がそうだという確かな証拠はありませんが、異世界人に類似している部分が多いです」
皆の視線が闘悟に注がれる。
そしてフレンシアは続ける。
「それにあの魔法……変化魔法も初めて見る魔法でした。魔道具無しで、あんな一瞬で変化させるのは素晴らしいです」
今日の大会の時、服装を変えた魔法のことだ。
本来なら魔道具を使って体や服装を変化させるらしい。
だがそれも一部分がほとんどだ。
闘悟のように一瞬で服装を全部変化させるのは極めてレアな能力らしい。
「それは改変魔法だなトーゴ」
ギルバニアの質問に闘悟は頷く。
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