第二十七話 江田島その五
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「ウエストも細いですから」
「カップのことね」
「カップ結構ありますよね」
「何か見られて恥ずかしいけれど」
「あっ、すいません」
「いいけれどね。ただね」
「ただ?」
「宇野ちゃんもね」
高見先輩は五人と同席しているもう一人の先輩に顔を向けた、既に服を脱ぎその身体をタオルで包んで隠している。
「あれで結構ね」
「宇野先輩もそういえば」
「スタイルいいでしょ」
「ええ、確かに」
「軽音楽部ってダンスもするし演奏自体が結構ハードだからね」
身体を動かし汗をかく、そしてカロリーを消耗するからというのだ。
「それでね」
「スタイルはですか」
「維持されるのよ。バンドはスポーツよ」
「だから普段も走ったりサーキットトレーニングもするんですね」
「そうなのよ」
結果としてそうなるというのだ。
「体力が必要だからね」
「それでなんですね」
「そう、じゃあ入るわよ」
「はい」
「まずは身体を洗って」
そしてだった。
「サウナに入りましょう」
「サウナですか」
「サウナで汗をかいて」
そしてだった。
「晩御飯の時のお酒ね」
「それですね」
「地酒よ、広島の」
高見先輩の目が光った、期待に対して向けている目だった。
「それが出るからね」
「牡蠣とですか」
「牡蠣と日本酒のコラボレーションだからね」
それで今のうちに汗を流しておくというのだ。勿論その方が酒が美味いからだ。
「じゃあいいわね」
「はい、じゃあ」
「美優ちゃん達もよ」
高見先輩は四人にも声をかけた。
「いいわね」
「わかりました」
こう応えてだった、宇野先輩も入れて七人で風呂場に入りまずは身体を洗った。
それから水風呂とサウナに入り汗を流してからだった。
七人で露天風呂に身を浸からせた、風呂場全体に八条学園の生徒達がいて楽しげに風呂を楽しんでいる。その中で。
髪の毛を上にまとめている美優が宇野先輩を見て言った。
「そういえば今先輩って」
「どうしたの?」
「髪の毛束ねてますね」
言うのはこのことだった、実際に先輩は髪の毛をそうしている。美優達は全員髪の毛が長いので後ろで団子にしたりしている。高見先輩も宇野先輩の様にしている。
「やっぱりお風呂に入ると」
「そうなの。まだ髪の毛洗わないから」
だからだというのだ。
「こうしてるのよ」
「そうですよね」
「これね、洗う時はほどくけれど」
「後で、ですね」
「ええ、お風呂に入っても絶対にほどかない時があるから」
「あれっ、お風呂に入ってもですか」
「そうよ」
こうにこりと笑って言うのだ。
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