第二十七話 江田島その二
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「八条学園は興味があって受けて運よく合格してね」
「それで、でしたよね」
「広島でも府中だから」
だからだというのだ。
「江田島のことは詳しくないの」
「そうなんですか」
「二回か三回来たことはあるわ」
こうやや広島訛りのある言葉で話す。
「けれど広島市、遠出して呉に行く方が多いから」
「ここにはですか」
「そう、ないの」
「同じ広島県でもですか」
「さっきも言ったけれど広島っていっても広いの」
だからだというのだ。
「広島市にはよく行ったけれどね」
「そうだったんですか」
「広島に出てね」
その広島市である。
「カープの応援して遊んで」
「広島ですか」
「そう、広島城に行ったりして」
そうして遊んだというのだ。
「路面電車にもよく乗ったわ」
「そういえば広島市って路面電車あるんですよね」
景子が目を輝かせて言う。
「そうでしたね」
「ええ、そうよ」
宇野先輩は景子にも答えた。
「あれがまたいいのよ」
「風情があってですね」
「広島も凄くいい街だから」
その路面電車も入れてだった。
「一度行くとね」
「ううん、何かそれを聞くと」
「広島に行きたくなったでしょ」
「はい」
景子は宇野先輩に答えた。
「何か」
「行ってみたら・一度ね」
「神戸から八条鉄道だと一直線よね」
「そう、八条駅からもね」
八条学園の最寄りの駅からもだった。尚八条鉄道の本社は大阪の上本町にある。関西が拠点のグループなので本社は東京にはない。
「特急ですぐよ」
「そうですよね」
「遠くに思えるでしょ」
「はい、実際に」
「けれど和歌山に行くよりは速いから」
すぐに着くというのだ。
「同じ関西でもね」
「神戸から京都に行く感じですか?」
「近いわね」
実際にそうだというのだ。
「そんなところよ」
「そうですか」
「だからいいわね」
先輩はあらためて景子達に言う。
「機会があればね」
「広島にもですね」
「行くといいわよ」
「後ね」
今度ははっきりとした顔立ちで黒髪を肩のところで切り揃えた人だ、背は宇野先輩より十センチは高い。
その顔立ちはアイドルの様に整っている、その先輩が言うには。
「岡山だけれど」
「あっ、高見先輩岡山でしたね」
「そっちの生まれでしたね」
「そう、岡山市よ」
県庁所在地である。
「岡山はわかるわよね」
「桃ですね」
景子はまずこの果物を話に出した。
「それとマスカットですね」
「後はママカリよ」
魚もあった。
「岡山も来てね」
「そういえば兵庫県のお隣でしたね、岡山って」
里香が言う。
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