第二十四話
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第二十四話 引き出もの
ケムンパスは二つのものを差し出した、それは何と何かというと。
「キャットフードか、鮪の」
「ラム&ライスのドッグフードだね」
「そうよ、どうかしら」
「気に入ってくれたらいいけれど」
ケムンパスとワラビはライゾウとタロに述べる。
「私の好きなキャットフードだけれどね」
「私が一番好きなドッグフードなの」
「これからどうかって思ったけれど」
「いいかしら」
「ああ、有り難うな」
「嬉しいよ、僕これ好きなんだ」
ライゾウとタロは彼女達に笑顔で応える。
「じゃあ後でな」
「食べさせてもらうよ、それにね」
「こっちもお礼しないとな」
「これでどうかな」
彼等も彼等で挨拶の品を出した、それはそれぞれどういったものかというと。
「猫用のミルクね」
「犬用のミルクなの」
「食べ物には飲み物ってな」
「これでどうかな」
「有り難う、それじゃあ」
「謹んでね」
ケムンパスもワラビもそれぞれ礼を述べる、二匹共ライゾウとタロに対してかなり礼儀正しく挨拶をしたのだった。
そしてだ、そのミルクを受け取ってからだった。
ワラビがこう二匹に言った。
「ここに来るまで凄く怖かったけれど」
「えっ、この辺り凄くいい人ばかりだよ」
「はじめての場所は怖いから」
タロに対して返した言葉だ。
「だからなの」
「かなり怖がりだね、君」
「自覚してるわ、それでもね」
周囲を見回しながら言うワラビだった。
「怖いものは怖いから。子供も多かったし」
「子供嫌い?」
「ご主人以外の子供の人は」
怖いというのだ。
「何をするかわからないから」
「ううん、そこまで怖いんだ」
「まあこの娘は気が弱いから。力は強いけれど」
ケムンパスがそのワラビをフォローする。
「魔法も上手だけれどね、頭もいいのよ」
「褒められたら、そんな」
「まあまあ、とにかく挨拶はしたから」
それでだというのだ。
「じっくりお話しましょう」
「ああ、そうしような」
ライゾウが応える、そうしてお互いに本格的に話をするのだった。
第二十四話 完
2013・4・1
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