暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第五幕 「一週間」
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男、喋らない。マジで喋らない。時折目線はこっちを向くが、一切喋らない。
おまけに完全な無表情。最早どう声を掛ければいいのか分からない。
私コミュ力低いし・・・誰か!ワンサマーでものほほんさんでもいいから助け舟を頂戴!!などと悶々考えていたら・・・

「・・・改めて。ベルーナ・デッケンと言います」
「・・・あ、ハイ。これはどうもご丁寧に。私、佐藤稔と申すものです、ハイ」

一瞬反応に遅れたが、咄嗟にしてはしっかり返答することに成功。
やったぜ私!これでコミュ力も上昇だ・・・などと考えつつ。意外と礼儀正しいなこの子。
同い年の筈だけど小柄なせいで歳下にしか見えない。
・・・それにしてもこの子も難儀だなぁ。ISを起動させることは出来ても乗ることは出来ない。
それはつまり乗れないってことだろうに・・・何が悲しくて自分の使えないものの使い方を習わにゃならんのだって話だ。同情するよホント。

「・・・これ」
「? なにこれ診断書?えーと・・・・・・・・・おぉう」

唐突に差し出されたその紙は・・・精神科医の診断書のようだった。
所々拙い日本語で注釈してある辺りから察するに、自分で用意したのだろう。
症状は対人恐怖症と先端恐怖症、武器・兵器を強く連想させるものを見たり触ると過去にあった事件(詳細は黒く塗りつぶされている)の光景がフラッシュバックする等々結構な情報量があった。

「暫くは同居するから・・・一応、見せておく」
「なかなかにヘビィな過去があるみたいだね・・・いいよ。
ついでに学校内でもなんか困ったことあったら頼っていいし」

努めて顔には出さず、診断書を返す。心中は全然穏やかではないが。
恐らく・・・いや、絶対に他人にホイホイ見せたいものではあるまい。
ちゅーか、めちゃめちゃ心ボロボロですやんキミ。こんなところ通っとる場合とちゃいますやん。
(ヤバイよこの子絶対何か裏があるよ!同室になってる時点で無関係でいられない空気半端ないし!どうする?マジどうするよ?立てられるの?フラグ立てられるの私!?何のフラグかは知らんけど!!)

せめて死亡フラグでない事を祈るばかりである。アレか、実はISを動かすために作られた存在とか実は古武術の達人とかISは欠陥があって絶対防御が発動しないとか昔ヒロインズの誰かとフラグを立てたとか束さん関係でひどい目にあったとかそのようなアレなのだろうか、と変な勘繰りをしてしまうあたり私は前世から成長していない。

「それと、たまに睡眠中呼吸と脈拍が極端に落ちることがある・・・けど、気にしないでほしい」
「いやそれは気になるでしょ人として!!朝目が覚めたら同居人がぽっくりとかマジでシャレにならないから!!・・・って、ごめん怒鳴っちゃって」
「・・・構わない」

声を荒げてしまっ
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