Episode13:戦闘、無頭竜
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を考えてる。だから、駒として強え奴が必要でな」
フーデッドローブのフードに隠された顔から覗く、鋭い眼光が俺を睨んだ。
「お前が必要なんだとよ、九十九隼人」
「お前が必要なんだとよ、九十九隼人」
修哉の放った一言に、隼人は目を細め怪訝な顔をした。
「俺の、なにを知っている?」
九十九隼人の異能は、秘匿されているものである。だが、他の家のように厳重に隠されているわけではない。他の家のように特別厳重に隠すとなれば、魔法演算領域のほぼ全てを異能に奪われている隼人にとっては、魔法が使えないことと同じになってしまう。だからこそ、隼人は最低限の備えとしてシルバー・フィストという特別なCADを使う。
だがそれだけでは、とてもじゃないが全ては隠しきれない。今回のように、バレる可能性は十分にあり、また、過去にもあった。
「全て、と言ったら?」
さて、そのような場合、これまでの隼人ならばどうしていたのか。
それは、単純明快であった。
「倒すだけだ」
開戦は一瞬。自己加速魔法を瞬時展開した隼人は一息に修哉の懐に入り込んだ。右足で踏み込み、左手で腹部への掌底。
鈍い音を立てて隼人の掌が着弾。突然の攻めに反応しきれていないのを好機と見て、隼人は更に左脚のローキックを放った。
だが、いくら反応が遅れたとはいえ修哉は凶悪犯罪者集団の中でもトップクラスの実力を持つ。たかが高校生に、不意打ち如きで遅れはとらない。
鞭のようにしなる蹴りを、修哉は負の加重魔法を使って跳び上がり回避。着地するや否や、地面を蹴って隼人に特攻を仕掛けた。右腕を横に振ってローブの袖から仕込みナイフを取り出す。
だがその特攻に、隼人は反応した。容赦無く突き込まれるナイフを右手でいなし、気勢を削ぐと開いた左手を空気に叩きつけた。
「ガッ……!?」
突然腹部にハンマーで殴られたかのような衝撃を感じ、修哉は吹き飛んだ。
狭い校舎裏で、背中をコンクリートの壁に打ち付け、止まった。
「ぐっ…レンジ・オーバーの名は伊達じゃねえってことか…」
そう呻きながら立ち上がると、修哉らナイフを握らない手で一枚のカードを取り出した。
自分が経験したことのない事態が起こると読んで、隼人の緊張感が高まった。
「いくぜ…!」
身構える隼人に、修哉は手にもったカードを投げつけた。その動作に怪訝な表情を浮かべつつ隼人が首を捻って躱そうとした瞬間、カードの軌道が反転した。
「なっ…ぐっ!」
突如軌道を変えたカードを、隼人はなんとか躱すことができたが、完全には無理で頬に一筋の切り傷が走った。
予想外の攻撃に隼人
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