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魔法科高校の神童生
Episode13:戦闘、無頭竜
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ブも羽織っている。それに、一番奇妙なのは、顔下半分を覆う漆黒のマスク。
ここの生徒の仮装…そう思うほど、俺は腑抜けてはいない。こいつから感じるのは、確かな敵意と、殺意だ。


「アンタ、何処のモンだ?学校関係者でもなさそうだし……」


そう問い掛けてみても、男はなにも言葉を発さない。
代わりに、男が徐に腕を掲げたその時。微かに吹いていた風が、刃となって襲いかかってきた。


「っと!」


無色の魔法だが、サイオンそのものを視れる俺にはなんの意味もない。今のは、情報強化の魔法。恐らく、『弱い風』という情報を強化してカマイタチ並に強力な風を作り出したのだろう。
情報強化魔法はかなりのレベルの魔法師じゃないとそうそう使いこなせない。ましてや、風力を強化するとなると。


「お前が、九十九隼人だな?」


聞こえてきたのは、マスクの中から。だが、その声は不自然にくぐもっている。
多分、声を変えてるんだろうな。…そこまで己の存在を知られたくないのか?


「それがどうかした?」


とにかく、敵の情報が少なすぎるから下手に動くわけにはいかないな。最悪戦闘になってしまったら、瞬殺しなければならないし、なるべくなら、戦いはしたくない。


「オレの名前は五十嵐修哉。『無頭竜』の幹部の一人だ」


「無頭竜…!?」


無頭竜(No Head Dragon)
その名を持つ組織の動きが活発化してきているというのを、俺は昨日の父さんとの会話で聞いていた。
俺の父さんと母さんは今、九十九家の家督を姉さんに任せて世界各国を旅している。この時代、血を守るために外国へ行くのはほとんどご法度されているのだが、どうやら父さんと母さんはうまく政府を言いくるめたようだ。大方、自分らのBS魔法の研究とでも言ったのだろう。
ま、理由はともあれ、俺の両親は今、様々な国を回っている。だからこそ、入ってくる情報も多い。俺はよく週一くらいにテレビ電話して、土産話としてよく聞くのだが、『無頭竜』もその内の一つだった。
俺が知っていたかつての無頭竜は、ブランシュと双璧を為す犯罪シンジケートだった。だが、父さんの話しによれば、戦力面で無頭竜が突如飛躍。今や、九十九家の第一級警戒組織にまで上がった。
急激な戦力増加。その第一の理由は、世界各国の有名な魔法犯罪者が一気に加入したことらしい。
『五十嵐修哉』。確か、三年前くらいにあった魔法協議会侵攻事件の主犯格だった男だ。そのせいで、五十嵐家は百家から除名、所謂『エクストラ』になったらしい。今まだ逃亡していると聞いていたが、まさか無頭竜にいたとはね。


「その幹部殿が…一介の高校生である俺になんの用だい?」


「フン……オレ達の主は今、世界を己が手にすること
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