暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜我は蟲触の担い手なれば〜
『転生。 或いは、交差する赤と紅』
EP.04
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水の音。
 カーテンの向こう側、浮かんだ影が濡れた身体をタオルでふき取る様子が見える。

「部長、これを」
「ええ、ありがとう」

 聞こえた声、リアス先輩ともう一人。 誰かの、女性の。
 見知らぬ誰かから何かを受け取る先輩の影。
 おそらく、それは衣服だったのだろう。 リアス先輩の影は着替えを始めた。
 ……そして、数分。 開いたカーテンの向こうから制服姿のリアス先輩が現れた。

「ゴメンなさいね、昨日はシャワーを浴びれなかったから、いま汗を流していたの」

 そう言いながら微笑む先輩は、湯を浴びたせいか妙に色っぽい。
 そして、ふと背後を見る。 リアス先輩の後ろ、そこに立つ誰かの姿。

「あらあら、あなたが例の男の子かしら?」
「あ、はい。 どうも、はじめまして、兵藤一誠です。 えーと、姫島先輩……ですよね?」
「あら、私の名前をご存知で?」

 当然だ。 そもそも彼女の名前を知らない男子はこの学園にはいないだろう。
 姫島朱乃。 ベストなバストをもつ駒王学園三年生。 巨乳2号。
 黒髪を束ねたポニーテールに、ふとした仕草でにおわせる和の佇まい。
 日本男児の理想たる大和撫子を体現する、我が学園のお姉さまだ。

「これで全員揃ったわね」

 リアス先輩はそう言いながらソファに座る。
 全員。 つまり、ここにいるメンバーがオカルト研究部に所属する部員なのだろう。
 中々に豪華なメンバーだなと、俺は思った。
 こんな旧校舎の一室に、学園の名だたる人気者が集結している。 
 ……ここ、本当にオカルト研究部か? 揃った部員を見る限り、にわかには信じ難い。
 木場なんかはスポーツ系の部活のほうが似合いそうだし、姫島先輩は弓道や茶道のような和の雰囲気がしっくりくる。
 いや、もちろん人の趣味はそれぞれなんだろうけど。 それにしてもオカルトねぇ……。

「ふむ。 意外だと……そう、思っているのかな?」
「あ、いや、別にそんなことは―――」

 ない―――。 とてもじゃないが、そう言えなかった。
 むしろ、意外を通り越して悪趣味の領域だ。
 もし、ここにいる全員が『特技は黒魔術です』なんて言ったら全校生徒がぎょっとするだろう。
 その光景を想像し口篭もる俺、その様子をみて三人の先輩がクスクスと笑っている。 ……え? なに?

「えーと……。 俺、何かおかしいことでもしましたか?」
「あらあら、いいえ、そういうわけじゃないのですけど」
「なに、君は嘘をつくには向いていないと思ってね」
「……え? なんのことでしょうか?」
「顔に出ていたわよ、イッセー。 意外を通り越して趣味が悪い……なんて、思っていたんでしょう?」

 ばれてるし!? リアス先輩に指摘され、俺は慌てて顔を覆い
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