暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜我は蟲触の担い手なれば〜
『転生。 或いは、交差する赤と紅』
EP.04
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、天井に、至る所に刻まれた奇怪で面妖な無数の文字群。
 次に視界が捉えたのは部屋の中央、そこに描かれた巨大な円陣。 おそらくは魔方陣。
 なるほど、確かに。 ここはオカルト研究部で間違いないのだろう。

「驚いたかい?」
「……え? ……いや、まあ、少し。 思ってた以上にオカルトっぽいっていうか……」
「まあ、そうだね。 普通の人はだいたいそんな反応をすると思うよ」

 かけられた声、木場の言葉にいくらか落ち着きを取り戻す。
 異質な文字群を無視して部屋を見渡せば、そこには一人。
 見るからにふかふかなソファの上に、ちょこんと座り、黙々と切り分けられた羊羹を齧る小柄な少女。
 塔城小猫。 小柄な体格の駒王学園一年生。 もちろん貧乳。

「……?」

 ふと、俺の存在に気付いたらしい小猫ちゃんと視線が合う。
 その表情はいかにも眠たげで、いまいち感情が読み取れない。

「その……どうも、兵藤一誠です」

 俺の挨拶に無言でお辞儀だけを返す小猫ちゃん。
 それだけすると、再び彼女は羊羹を齧りだした。

「えーと。 ……俺、もしかしてあまり歓迎されてない?」
「そんなことはないさ。 少なくとも、ボクは君を歓迎するよ」

 声、俺のよく知るあの人の。
 振り向くと、そこにはやはり桐原先輩の姿があった。

「ようこそイッセー君。 さあ、お茶とお菓子を用意したからまずはくつろいでくれないかい?」

 カチャリと静かな音をたて、テーブルの上に琥珀色を湛えたティーカップと羊羹の乗せられた皿が置かれる。
 それにあわせて、俺は柔らかなソファの上に腰を沈めた。

「その、桐原先輩」
「うん? もしかして甘いものは嫌いだったかな?」
「いえ、そうじゃなくって。 リアス先輩はいないんですか?」
「ああ、部長かい? 彼女なら、ほら、あそこだよ」

 桐原先輩の指先の示す向こうで、薄いカーテンが揺れていた。
 聞こえる、耳を澄ませば水の音が。 もしかして、あの向こうは……。

「……シャワー?」
「正解。 まあ、すぐに出てくるよ」

 カーテンに浮かんだ影、明らかに女性と分かる艶やかなその姿。
 思い出すのは、今朝の出来事。 生まれて初めて見た女性の裸体。

「……いやらしい」

 呟く声にハッとして、俺は表情を覆い隠す。
 もしかしなくてもエッチな気持ちが顔に出ていたのだろうか?
 見れば、あからさまに侮蔑を込めて小猫ちゃんが俺を見ていた。

「ははは、いやらしいか。 だけどね小猫ちゃん、男の子は誰だっていやらしいことをしたいんだよ」
「……そうなんですか?」
「いや、僕に聞かれても困るんだけど……」

 そのとき、きゅっと蛇口を捻る音が室内に反響した。
 鳴り止んだ
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