暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜我は蟲触の担い手なれば〜
『転生。 或いは、交差する赤と紅』
EP.04
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 言われて、すぐに理解した。 リアス先輩の言っていた使いとはコイツのことかと。
 右手に鞄をぶら下げて、俺はすぐさま席を立つ。

「……で、どうするんだ?」
「まずは僕についてきてくれるかい? 先輩たちも待っているからね」
「了解。 じゃあ、さっさと案内してくれ」

 木場に後を追うように俺が歩く。
 校舎に響く女子たちの悲鳴と妄想を無視しながら。


 夕暮れ、赤く染まる空の下。
 俺は木場に連れられて、校舎の裏手を歩いていた。
 何処に行くのか? 訊ねても木場は答えない。
 行けば、分かる。 それだけ言って、俺を連れて、奥へ奥へと歩いていく。
 やがて、視界にある建物が視界に映る。
 駒王学園の敷地奥、隠れるようにひっそりと木々に囲まれたその建物は。

「……旧校舎?」

 旧校舎。 今ではもう使われていない、かつて校舎だったもの。
 怪談の類にはこと欠かないが、取り立てて何かがある場所ではない。

「……こんなところにリアス先輩たちが?」
「そうだよ、部長たちはこの奥にいるんだ」

 そう言いながら、木場は旧校舎の玄関を潜り抜けた。 追って、俺も中へと入る。
 ……しかし、木場は部長と言っていたか?
 リアス先輩が何処かの部に所属しているという話は、聞いたことはないのだが……。
 唐突に湧いた疑問に俺は首を傾げる。 ……いや、考えても仕方がないか。
 どうせこれから会うのだからと、湧いた疑問を俺は無視した。
 歩く。 歩く。 歩く。
 廊下を、階段を、時たま軋む床板を踏み鳴らして。 前へ、前へと。
 歩きながら周囲を見渡す。 旧校舎へ入ったのは今回が初めてだ。
 古ぼけた外観とは裏腹に、校内の手入れはしっかりとされていた。
 ちらりと覗いた教室は塵一つなく、窓には汚れも罅もなかった。

「―――さあ、着いたよ」

 木場がそう告げ、立ち止まる。
 旧校舎の片隅、とある教室、その入り口にぶら下げられた一枚のプレート。

『オカルト研究部』

 ―――え? 
 ―――オカルト研究部?

 正直、胡散臭いと思ってしまった。 ……ここにリアス先輩が? え? 本当に?
 なんというか、リアス先輩や木場のイメージとはあまりにもかけ離れている気がするのだが……。
 そんな俺の困惑をよそに、引き戸の前で木場が呼びかける。
 俺たちの存在を、中にいるであろう先輩へと。

「部長、彼を連れてきました」
「ええ、入ってちょうだい」

 引き戸の向こうから声が届く。 女性の声、おそらくはリアス先輩の。
 木場が戸を開き中へと、続いて俺も中へと入る。
 そして、俺は室内の装いにぎょっとした。 ……なんだ、コレは?
 まず目に付いたのは文字だった。 
 壁に、床に
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