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なのは一途のはずがどうしてこうなった?
第二十章 期待の新人
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ティアナ・ランスターは今度こそ、嘘泣きではなく泣いた。

「ティアナのポジションは前後左右全部が味方なんだぞ」
「はい。前も後ろも攻められまくりの総受けですね」

そーか。それがお前の本性か。

「ん」

不意打ちだ。
突然のキス。

「ますます好きになりました。愛人でもいいです。抱いて下さい。痛っ! ゲンコツなんて、ひどい!」
「うるさい、キスの仕返しだ」

嘘泣きと、キス。
ティアナは魔性の女……。
だが、頭を抑えながらも、晴れ晴れとした顔で、

「明日からの居残り訓練付き合ってくださいね」

元気に駈け出した。

「おい! 返事も聞かずに立ち去るなー!」

その背中に言葉を投げかけた。



布石。伏線。深慮遠謀。
言葉は違えども意味は殆ど同じだ。
ティアナ・ランスター達新人は座学としてミウラ・ケイタの戦略、戦術講座を受けている。
ポジションとして、ティアナ・ランスターは戦闘全域を把握して判断をしなくてはならない。
戦術的に有利になるように指示したり、適材適所で敵と味方を対峙させたりと。
その役割を実戦ではまだ、活かせる程の技量など未熟なティアナ・ランスターは持ちえていない。
はずなのだ。
一つの話をしよう。
失敗した新人と、それをフォローする上官。
よくある事である。
しかし、今回に至っては少しばかり誤解を招いたようだ。
人気のない森で二人きり。
泣き顔を晒して走り去る新人。
その姿を気に留める人物は多い。
目撃者となるのは、機動六課メンバーだ。
乱れた服装に、泣き顔と、急いで逃げ去ってきた様。
その後、上官である人物の汚れた服装に、口元には逃げてきたティアナ・ランスターのものと思われる口紅がついており、ズボンの中心のチャックは開かれていた。
それを客観的に見ると、森の中で何が起こったのかを容易に想像出来る。
フォローするべき上官が、落ち込んでいる新人を襲った。
間の悪いことに、上官であるミウラ・ケイタが走って逃げてきたティアナ・ランスターを追うように走って来たのが悪印象を与えることになる。
ティアナ・ランスターの妙技と智謀によりミウラ・ケイタは人生初の容疑者となった。
そうは言っても、身内の恥であるため限定的かつ、私利私欲の特権を使い、機動六課内で始末をつけることにするという八神はやての提案に誰もが反対をしなかった。
容疑:強姦未遂
容疑者:ミウラ・ケイタ
被害者:ティアナ・ランスター
状況証拠:口元の口紅、チャック全開、被害者の服装の乱れ
証言証拠:被害者の襲われました発言
解決策:被害者の提案として、無理矢理は嫌だが、好意はあるので、然るべき場所で正式に行為をしてくれれば、全ての事を無かった事にする。
判決:ちょうど、ホテルアグ
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