ALO編
episode5 旅路、影妖精領4
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にこれほどのダメージがはいるとは、どうやら弱点らしい。
(……まだ俺もツキに見放されてはいねえな)
敵が突進を止めて大きく仰け反り、体に張り付いた氷を壁に擦りつけて落とそうと身を捩らせる。すかさず続けざまに氷球の残りを全部投げつける。ああ、これだけで一財産……。
だがしかし、所詮はその場凌ぎのゴリ押しアイテム戦闘。それくらいではこの大物クエストボスHPをゲージ一本を削りきるまでには、流石にならない。なんのスキルの支援もなく全弾命中したのは奇跡といっていいほどの偶然だったが、それでも敵の残りHPゲージはまだ三割はある。
(……しゃーねえ、一か八かっ!)
起き上って、一気に跳躍。
さっきまでと同様に、逃げる方向では無い。
「おおおおおっ!!!」
真正面から、立ち向かう方向に、だ。
跳躍のままに全力で振り抜く足は、あの世界での、『体術』スキル連続蹴り技、《ネプチューン・ストーム》。連続の回転蹴りは、右の回し蹴り、続けて左の後ろ回し蹴り、それを二セット連続で繰り出す四連撃。あちらの世界では相当の硬直時間を課せられる大技で、俺の得意とするスピードファイトには向かない為に敬遠していた技だったが、こちらではその心配はない。勿論このALOではかつてのようにシステム的なアシストは得られないが、それでも二年間培った戦闘の勘は、当時の動きを完璧にトレースする。
一撃、一撃、もう一撃!
「うおおおおっ!!!」
絶叫しながら神経回路を振り絞って、最後の一撃が深々と怪物の頭頂部に突き刺さり。
大きく痙攣したその巨体が、ポリゴン片を残して派手に爆散した。
◆
「はぁ、はぁ……うっし、クエストアイテムゲット…かぁ…」
荒い息の中、力尽きて倒れそうになるのを必死に堪えてストレージを確認する。新規獲得欄に新しく入っているのは、クエストアイテム、《封印獣の毒牙》。受けているサラマンダー用クエストのフラグアイテムだ。
「他種族向けクエスト、難易度高すぎだろ常識的に考えて……」
直後、脱力して、がっくりと膝をついた。
まったく、今回みたいな目に合うのは、実は初めてではない。
理由としては恐らく、この『他種族向けクエスト』は「既に領内のクエストをやり尽くした様な、上級者用のクエスト」としてこれらのクエストは設定されているのだろう。今回のクエストだってそのMobの力は俺一人でもなんとか(多少イレギュラーなアイテムの力は借りたものの)なんとか出来なくは無かったが、ここまで来る途中のシュートトラップは明らかに数人しか入れない……つまりは、人数を制限する為のものだった。
土妖精領、鍛冶妖精領でも、他のクエストと比べ
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