第9話 朝食
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に甘えらえて嬉しくない男はいない。それがいつも自分一人で何事もやろうとしているなのはだから尚更だ。
こうやってなのはが甘えてきてくれる度にリクは自分がなのはにとって特別な存在であるという優越感と充足感を得ていた。
(どんだけ惚れてるんだよ俺…)
自分自身に内心で呆れる。
その時、ふと思った。
(いつもなのはが俺に相談してくれるなら、俺から相談してもいいのか?)
リクはこう考えた。
リク自身なのはから相談されるのは嬉しい。ならなのはも俺から相談されたら嬉しいのではないか。
自分がされて嬉しい事を好きな相手にもやる。
なんとも子供っぽい思考である。
「なあ」
「ん?なに?」
「ちょっと相談があるんだが」
「えっ!なになに!?なんでも言って!」
が、どうやらその子供っぽい考え方は間違っていなかったようだ。
リクから「相談がある」と言われたなのはは、先程よりも一層強い喜びを表情に浮かべる。
どうやら正解だと、リクも嬉しい気持ちになる。
だからかもしれない。言葉のチョイスを間違ってしまったのは。
「俺さ、ティアナの事が気になるんだが」
―――ガシャーン!!
何かが盛大に割れる音が食堂内に響く。
「お、おいどうした?いきなりカップ落として」
リクの言葉を聞いたなのはが、手に持っていたコーヒーカップを落とし、そのせいでカップが割れたのだ。
しかもカップを落とした時、コーヒーが零れ、なのはの着ている制服のスカートに少しだけ掛かってしまっている。
「おい。コーヒーがスカートに掛かってるぞ。早く部屋に戻って洗濯しないとシミになっ―――」
「そんな事はどうでもいいよ」
底冷えするような声。
それほど大きな声でもなかったが、何故か食堂内に響き渡った。
その絶対零度の声は、食堂にいた六課メンバーの動きを停止させるには十分であった。
(な、なにが起こっている…?)
完全に理解不能な状況にリクは混乱で頭を満たしながら、辺りを見渡す。
少し離れた所では、朝食を食べ終わり、自室に戻ろうとしていたティアナが立ち上がった状態で停止しており、今食堂に来たスバルとエリオとキャロはトレーを持ったまま固まっている。
「ねえリッくん」
冷静な判断が下せる状況下ではないのか、二人きりでしか呼ばないといった「リッくん」という呼び名でリクを呼ぶ。
「お、おいおい。それはこの場で使う一人称としてはおか―――」
「ねえリッくん」
「なんでしょうか」
逆らったらいけないとリクの脳内警鐘がガンガン鳴り響いている。
しかも今リクは義魂丸を自室に置いてきてしまっている。逆になのはの首には愛機であるレイジン
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