機動戦士ガンダムSEED
0231話
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ラウ・ル・クルーゼ。この戦場に奴が現れたと聞いた俺は、ヤキン・ドゥーエの中央戦線をコーネリアへと任せてムウと合流すべく移動していた。
ジェネシスが既に無い以上、クルーゼのプロヴィデンスがザフト……というよりも、パトリック・ザラ最後の切り札と見ていいだろう。それだけの性能がプロヴィデンスにはある。しかしこちらに取って有利なのは、そのプロヴィデンス最大の特徴であるドラグーン・システムの存在を既に知っているのと、グロウセイヴァーにドラグーン・システムをより発展させたような武器であるファントムが存在している事だ。
つまり、グロウセイヴァーならプロヴィデンスに対抗出来る。だが、問題は……
「あのクルーゼが護衛用MSと共に出てきたって所だ……なっ!」
見覚えのある色のビームを視界の端に捉え、咄嗟に機体を右へとずらす。グロウセイヴァーの左側を貫いたのは、ジンの対要塞用のD型装備でもある巨大ビームライフルの光だった。正式名称はM69バルルス改 特火重粒子砲。ヘリオポリスで俺がジンから奪って暫くの間愛用していた武器だ。俺が使っていたのはアフリカに降下した時の戦いで破壊してしまったが、それなりに愛着はあった。威力は5機のガンダムが使うビームライフルよりもかなり低いが、それでもこれからクルーゼと戦うというのに余計な損傷を受けている暇はない。こうして見ると、目の前のジンは護衛役ではなく、クルーゼとムウの戦いに邪魔が入らないようにする妨害用のMSと言うべきか。
「加速。アダマン・ハルパー、起動」
精神コマンドの加速を使って機体の速度を上げる。急速に近づいてくるジンへと向かい、その横を通り抜け様に胴体目掛けて大鎌を一閃。
後方で真っ二つに切断されたジンが爆発しているのをそのままに、速度を落とさずにムウとの合流地点へと向かう。
「くそっ、ムウの奴無事だろうな?」
通信を送ろうにも、もしムウがクルーゼとの戦いの最中だったりした場合は俺の通信で決定的な隙を作ってしまう可能性がある。
一瞬の隙が命取りになるのは戦闘では当然の事だが、ドラグーン・システムを相手にしているムウには、それがより顕著に現れるだろう。なにせドラグーン自体がかなり小さく、そして素早いので戦闘中に肉眼を使って補足するのはかなり困難なのだ。あるいはキラやアスランのようにSEEDを持っていたり、俺のように念動力があるのならそれなりに対応も可能なのだろうが。
「だから、俺の邪魔を……するなっ!」
先程のジンに続き、目の前に立ち塞がったゲイツへと右側のランツェ・カノーネの砲身を展開し、ビームを撃ち放って敵を消滅させる。
そんな事を繰り返す事数分。ようやくムウとの合流地点が見えてきた。
「ちぃっ、やっぱりな」
だが、それを見た俺に嬉しさの感情は
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