―ジェネックス X―
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『お前が持つ鍵を賭けてデュエルを申し込む。翌日校門前、首を洗って待っているが良い
ホワイトサンダー』
……といった手紙が俺のラー・イエローの扉の前に置いてあったのは、俺がジェネックスでのデュエルから疲れて帰ってきたからであった。
斎王からこの鍵を預かってからというもの、光の結社からの挑戦者が異様に増加し、そのいずれも例外なく『勝ったらその鍵を返せ』と言って来るのだった。
お前らの教主様から預かってる物だ、と言っても聞く耳も持たず、挙げ句の果てにはジェネックスで敗退している者さえもデュエルを申し込んで来るので、体力が持たずに部屋に逃げ帰ってきたのだった。
デュエリストとしては逃げることはあまりしたくなかったが、そういうことが考えられないぐらい、いつにも増して光の結社は異様な雰囲気であった。
斎王から託されたこの鍵は何なのか、そんなことを考えながら部屋に戻ると……まあ、こんなような手紙が置いてあったという訳だ。
この手紙の主があまり親しくない者ならば無視しても構わなかったが、寄りにもよって万丈目準という友人であり、明日のジェネックスでの対戦相手が決まったようなものだった。
俺も、万丈目と同じように光の結社に囚われた俺を救ってくれた三沢のように、万丈目を救えるだろうか。
いや、救わねばならない……万丈目が光の結社に入る時に、その時は何も知らなかったとはいえ、助けられる可能性があったのは俺なのだから。
とりあえず俺は隣の三沢の部屋を訪ねると、三沢ももう今日のところは休憩に入ったらしく、「入って良い」との旨の言葉が部屋から響いてきた。
「おじゃまします……って、またこれか」
三沢の部屋は相変わらず数式で覆われた異界と化していたが、この数式の一つ一つが光の結社から俺を救うために書かれたものだということをレイから教えられているので、今回のこの数式については俺はあまり強く言えなかった。
「どうした遊矢、メダルを賭けてのデュエルなら受けないぞ?」
「そんなのこっちからお断りだ……こんな手紙が来ててな」
三沢や亮とはこんな時期に戦う気などさらさら無く、デュエルするならば終盤か決勝だと決めている。
ホワイトサンダーからの手紙を三沢に見せると、鍵のことは既に説明しているため、三沢は大体の事情を悟ってくれたようだった。
「なるほど……遂に万丈目直々のお出ましか。デッキの調整なら手伝おう」
「確かにデッキの調整には変わりがないんだが……今回頼みたいことは、『デッキの構築』だな」
そして俺が考えている事には、俺と三沢の二人ではまだ人手が足りない。
怪訝な顔をしている三沢を前にして、俺はポケットにあるPDAを取り出すと、未だデュエルのために走り回っているだろう友人――十代へと電
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