エンディング3・彼女の手記
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イザーク王達の強い勧めで、あたしたちレイミア隊はレンスター王国へ渡った。
……彼のお兄さんは彼のお父さん、つまりレンスターの前王カルフ陛下ね、から勘当と王位継承権の停止を宣告されてまで助けに来てくれたのだと後から知ったの。
跡継ぎの子が居たからだろう? なんて言い方をする人もいるだろうけど、あたしは違うと思う。
もし、彼のお兄さん、今のキュアン王が独身だったとしても助けにきてくれていたと思う。
だって、レンスターに渡ってからの孤立無援なあたしたちを一身に庇ってくれたもの。
あたし達に敵対的あるいは冷淡だったレンスターの貴族社会も、レイミアが出産してからは掌を返すようにへりくだってきたけれど、聖痕は捏造によるものでは無いかと主張する人達はもちろん居た。
そんな時、お産に立ち会ってくれたセルフィナっていう有力貴族の娘さんがやりこめてくれた。
彼女も彼の事を想っていた、そう知って初めはわだかまりがあったわ。
だけど、何かの機会でお互いに知らない彼の事を話して、語りあって、今ではいい友達同士になれたと思う。
今、あたしがしていることも彼女とのこの出来事が切っ掛けであったのかもしれない。
彼の遺領はフゥノスが受け継ぐことになって、コノート王国との国境に近いそこへ皆で越した。
その当時は大変で、もう毎日が嫌なくらいだったけど、今になるとかけがえの無いいい思い出になってしまうのはあたしも歳をとったからなんだよね。
赤ちゃんが居る生活ってほんと、そうなんだ。
当事者にとっては毎日が修羅場で戦場だったけど、世の動きとしては穏やかな毎日。
レイミアは面識あったみたいだけど、彼の領地をずっと切り盛りしていたレンナートって片足の騎士は彼の話をよくしてくれた……この人にとっても彼は特別な人だったんだね……。
そうそう、その暮らしに至る前、当時のクルト王太子がフリージ家からお嫁さんを貰って、アズムール王はこの慶事を祝い、ユグドラル大陸の真の平和のためだとかいろいろもったいをつけてだけど、ロプト教徒であっても法に叛かなければ処罰をしないと布告したの。
反発する国もあったけど、それを理由に戦が起こったりはしなかった。
ロプト教徒の中ではこれを受け入れる勢力と初志を貫き世界に仇して行くを良しとする者達に大きく分かれたって生き残りから教えてもらった。
ロプト教徒の中でも武力によって世界を滅ぼすって人たちは、あたし達の知らない間にコノート王国、当時のレイドリック公爵の元に集まっていた。
領地の見回りをしていたベオは……ベオウルフはコノート王国の王妃さまを保護してきた。
その前の月、コノートの王様が病気……ということになっていた……で、亡くなってからというもの国王夫妻の間に生まれ……
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