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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第四幕 「非主人公、非ヒロイン、是物語の参加者」
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だ。一夏が初めて彼に会った頃なんかはかなり荒れており、家に帰らない事さえあるほどだった。
一夏はそんな過去のユウをかいつまんで説明し、こう締めくくる。
「でもさ、あいつは最終的に“努力で差は埋まらなくても、積み重ねた努力が無駄になるわけじゃない”って自分の在り方に納得したみたいだ。追いつくことじゃなく、追いかけることに意義があるんだってさ・・・哲学者みたいだよな」
(・・・・・・天才の兄、か。それで努力が無駄だとか言った事に怒ったんだな)
箒は、少しだけ彼の気持ちが分かるような気がした。彼女も天才の姉を尊敬し、追いかけようとしたことがあるから。追い付けないという確信めいた思いが、脱脂綿に水が染み込むようにじわりと心に広がる感覚は、実際に努力しないとわからない感覚だ。
「今頃あいつは自分が勝つために考え付くすべての事をやってると思う。だから俺もやれることをしようと思う。・・・箒、ISについて教えてくれないか?」
「・・・座学で習う以上の事は私も詳しくない」
「う、そうか・・・」
「だが・・・そうだな。人とISは人機一体、生身で動けなければISでも満足に動けん。剣道で良ければいくらでも鍛えてやるぞ?」
「なるほど!サンキューな箒!それじゃ早速――」
「あのー、織斑君ちょっといいですか?織斑君の部屋番号を教えに来たんですが・・・あ!篠ノ之さんに佐藤さんもいたんですか!探す手間が省けました!」
「あ、山田先生」
「――ふへ?何か用なのセンセー?」
突然登場した山田先生に面を上げる佐藤さん。はて、ワンサマーは分かるけど、代表候補生でもお偉いさんの娘でもない一般モブの私にいったい何か用でも?と訝しんだ佐藤さんに対し、山田先生は――。
「えっと、織斑くんは1025号室で篠ノ之さんと同室です」
「えっ!?」
(ふむ、そこは原作通りなのね)
「で、佐藤さんは1029号室で・・・いろいろありましてベルーナ君と同室になりました」
・・・・・・なんですと?私が?フォースチルドレンと同室?
「アイエエエエ!?何でそうなるんですか!?」
「し、しょうがないじゃないですか!男子用の部屋がどうしても1部屋しか用意できなかったんです!残りの二人は誰か女の子と相部屋にしないといけなかったんですよ・・・」
「これは何かの間違いだそうだこれはきっとウサギの仕業に違いないきたない流石ウサギきたない・・・」
「お、おい大丈夫か佐藤さん?」
「お願いですから間違いは犯さないでくださいね・・・?」
その後、佐藤さんは暫く敵を追って新宿に辿り着いてしまったツンデレドラゴンの様な表情で立ち尽くしていたという。
モブ転生者の苦難は続く・・・?
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