第八十四話 これは俗に言う死亡フラグなのでは!?
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見てモアさん! あれがトーゴくんなのよ! カッコいいでしょ! しかもあんなに強いなんて、さすがは娘の婚約者だわぁ〜」
空気がピシッと固まる。
フレンシアがとんでもないことをマイクごしに言う。
……え?
い、今何て言った?
いや、気のせいだ……気のせいのはずだ!
闘悟は一刻も早くこの場を立ち去った方がいい予感をひしひしと感じる。
「あ、あのフレンシア様? い、今娘の婚約者と聞こえたのですが?」
「そうよ! あのトーゴくんは私の愛しい娘、ヒナリリス・イクス・ヴァウスの婚約者なの!」
「ええぇぇぇぇぇぇぇっっっ!!!」
モアが叫ぶ。観客が叫ぶ。
そして闘悟も同じように叫ぶ。
「ママ……ばか」
ヒナは小さく呟くように言うが、頬は真っ赤に染まっている。
その場にいるクィル達はと言うと、いきなりのフレンシアのカミングアウトにポカンとしている。
「えと……あの人って……そこのヒナリリスさんのお母さんなのよね……え? トーゴってホントにロリコンだったの……?」
自問自答しながらステリアは真剣に考える。
どうやら本気で闘悟の性癖を疑い始めたようだ。
「私はもう奴のことは幼女鬼畜としか呼びはしない」
ミラニが闘悟に睨みを利かせながら呟く。
不機嫌さを露わにしている。
「おぉ〜こんやくしゃってなんだぁ? おいしいのかぁ?」
ハロにはまだ難しい話のようだ。
その場にいて、一番冷静なリアがヒナに聞く。
「ヒナリリスさん、本当のことですか?」
すると、ヒナは首を横に振ろうとすると、いきなりクィルが口を挟んでくる。
「いいではないですかリーお姉さま」
「クー?」
「どういうことか、トーゴ様にお聞きしますです」
「そ、そうね」
リアが言葉を詰まらせたのは、クィルが微笑を崩していなかったからだ。
ただ、その瞳は決して笑ってはいない。
「恐らく、トーゴ様のことですから、何か勘違いなさるような行為をなさったのでしょう。相変わらずなことなのです。それがどのようなものでしたのか、本人の口からお聞きしたいですね。ミラニも、ステリア様も、手伝って頂けますですか?」
「御意(ぎょい)に」
「任せなさい!」
こうして、闘悟の審判会議の参加者が決まった。
「これは驚きですが、何とトーゴ選手にはもう婚約者がいるとのことです! しかもその相手は三賢人であるフレンシア様のご息女(そくじょ)であるヒナリリス様のようです! まったくどこまでも驚かせてくれる選手です!」
いや違うから!
一番ビックリしてんのは間違いなくオレだから!
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