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トーゴの異世界無双
第八十二話 さて、やるか!
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場自体が大きく揺れる。
 立っている者は悲鳴を上げながら転倒する。
 観客からはそんな声が轟(とどろ)いている。
 だが、一番被害を被(こうむ)ったのは参加者達だ。
 どうしてか、体を痙攣(けいれん)させて叫びを上げながら地面に臥(ふ)せる。
 その後はピクリとも動かない。


 そして、地震が収まって、その場に立っている者は闘悟とフービだけだった。
 フービも何が起こったのか分からないのか、呆然と闘悟を見つめている。


「さてと、邪魔者は消えたぞ? これでもまだそれを外さねえのか?」


 オレにはまだその資格がねえのかと、闘悟は聞いている。
 フービはようやく思考が追いついてきたのか、現況を把握して、微かに頬を緩ませる。


「……化け物か貴様……?」


 その言葉とは裏腹に恐怖では無く武者震(むしゃぶる)いを感じる。
 無意識に頬を緩ませたのもそのためだ。
 最高の闘いができる。
 そんなふうに感じたからだ。
 ようやくまともな闘いができると思い、喜びに打ち震えていたのかもしれない。
 だが、フービ自身思っていなかっただろう。
 まさかこれからあまりの恐怖に顔を歪めてしまうことを。


「…………こ、これは一体何が起こったのでしょうか……?」


 モアは声を張り上げるのも忘れて思わず呟いていた。
 隣にいたフレンシアでさえ目の前の出来事に目を見開き硬直している。
 先程まで顔を緩ませて闘悟を応援していた彼女からは信じられない表情だ。


「フ、フレンシア様……?」


 だが、フレンシアは電池が切れたように動かない。
 観客もほとんどがフレンシアと同じような感覚だ。


「あの、フレンシア様!」


 何度か話しかけると、ようやくフレンシアに目の輝きが戻って来た。
 だが、その第一声はモアでさえ耳を塞(ふさ)ぐような大声だった。


「キャ〜〜〜〜〜〜ッ!!! トーゴく〜〜〜ん! カッコい〜〜〜〜っ!!!」


 まさに絶叫並みだった。
 もちろんその声は闘武場に響き渡る。
 あまりの大声に顔をしかめる者もいる。
 それに反して闘悟は、その声を聞いて力が抜けるのを感じる。
 フレンシア様……ホントにやめてほしい……。
 切実にそう願うが、当の本人は未だに叫び続けている。





 ギルバニアがいるVIPルームでは、観客と同じようにほとんどの者が言葉を失っていた。


「うむ! さすがはトーゴだ! わはは!」


 ギルバニアは自慢するように笑う。


「い、一体彼は……いや、あの魔力量は……」


 そう呟いているのはアーダストリンク王国の国王ブラスである。


「確か彼がスティが気
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