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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-26船旅
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さん」
「大事なことじゃ。壊したからと、簡単に調達出来る物ではあるまい」
「そんなヘマはしねえよ。んじゃ、ここは任せたぜ」



 船内の厨房に移動した女性三人。
 使用する食材をクリフトが選び出し、下拵(したごしら)えに入る。

 包丁を手に、少女が言う。

「外では、ナイフを使ってたけど。台所では、これを使うのね」
「ユウちゃんは、包丁は初めてなのね?使い方は、わかるかしら。」
「包丁は、初めてだけど。刃物を使うのは、慣れてるから。大丈夫だと思う。皮を、剥けばいいのね?」
「はい。お願いします」

 包丁を野菜に押し当て、まずはゆっくりと動かして切れ味を確かめ、すぐに()の癖を見極めて、素早くきれいに皮を剥いていく少女。

 クリフトが感心したように言う。

「ユウさんは、器用なんですね。私よりも、早いようですわ」
「これなら、安心してまかせられるわね。さて、あたしもやろうかしら。」
「それでは、剥くほうはおふたりにお任せして、私は切り始めますね」

 クリフトの手元の食材に目をやり、少女が呟く。

「お肉は、もう解体(かいたい)してあるのね」

 少女の言葉の意味を解して、トルネコが答える。

「お店ではね、きちんと処理したものを、売っているのよ。」
「そうなの。お店って、色々あるのね」
「そうよ。そういうお買い物も、今度一緒にしましょうね。」
「うん」

 クリフトが、おずおずと問いかける。

「ユウさんは、解体……も、お()()になるのですか?」
「うん。狩人さんに、習った。食べられる魔物も」
「まあまあ。それじゃ、旅先(たびさき)で食材に困ることは、ないわね。」
「うん。海の魔物は、おいしいのが多いんだって。倒したら、言ったほうがいい?」
「そうねえ。今回の旅では、必要なさそうだけれど。そのうち、試してみるのも、いいわね。」

 事も無げに答える少女と、明るく応じるトルネコ。

「魔物を……解体……するのですね……」

 クリフトの手が、止まる。

 顔色を悪くしたクリフトに気付き、少女が心配そうに声をかける。

「クリフト?大丈夫?」
「……はい。……そうですね、私がしたことが無いだけで、誰かがしてくれていたことですから。目を逸らしていては、いけませんね」

 自分に言い聞かせるようにしながらも、真っ青な顔色のクリフトに、少女が重ねて言葉をかける。

「……おかあさんも、解体はだめだったから。クリフトもだめなら、無理、しなくていいと思う」

 トルネコも、続ける。

「そうね。あたしはそういうのは、平気なほうだと思うけれど。だめな(かた)は、本当にだめだものね。無理はいけないわ、クリフトさん。」
「……はい。申
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