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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-26船旅
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してくれる?」
「うん。わかった」
トルネコとクリフト、少女は連れ立って船室に入って行く。
三人の姿が見えなくなったのを確認して、マーニャが言う。
「野外でだけ料理経験があるとか、どこの軍人だよ。嬢ちゃんの村の教育方針てのも、徹底してるな」
「それなりに、考えがあってのことなんだろうけど。ちょっと極端だね。トルネコさんが気を配ってくれて、助かるね」
「ユウは、そういう育ちなんだな。ところで、ブライは料理はできるのか?」
アリーナに問われ、ブライが返す。
「出来ぬことは、無いですがの。城におれば、自分で作る必要はありませんからな。最後に作ったのは、何十年前だったか」
「そうか。俺よりはマシだな。一度も、やったことが無いからな」
王子と城の重鎮のやり取りに、渋い顔になる兄弟。
「……間違っても、アリーナとばあさんを一緒に台所には入れられねえな」
「……
惨事
(
さんじ
)
になりそうだね」
兄弟が声を潜めたのを聞き逃さず、ブライが異議を唱える。
「必要が無いからやっておらぬだけで、
不
(
ふ
)
得
(
え
)
手
(
て
)
という訳では無いですぞ。ただ、王子に目を配る余裕は、無いじゃろうからの。それが賢明じゃの」
アリーナも、ブライに同意する。
「ブライは、味にはうるさいからな。慣れていないとは言っても、そう酷いものは作らないだろう。俺も味覚は問題無いと思うが、作る過程が全く想像出来ないからな。怪しいな」
フォローになっているようないないような話の展開に、ますます渋い顔になる兄弟。
「自分で言われると、食べさせられる
側
(
がわ
)
としては非常に不安になるんですが」
「無理に、覚えなくてもいいんじゃねえか?一応、王子様なんだしよ」
「無理そうなら、やめるが。やってみなければ、わからないだろう」
「食いもん、無駄にするんじゃねえぞ」
「付いた人の言うことを、よく聞いてくださいね」
「ああ。無論だ」
あくまで前向きなアリーナと微妙な表情の兄弟の会話は一段落つき、ブライが話を変える。
「そのような先々の話よりもじゃな。マーニャ殿は、今のうちに風呂でも沸かしてはどうじゃ。その
間
(
あいだ
)
くらいならば、我ら三人でも、問題無いでな」
「オレの前に、ばあさんじゃねえのか」
「水ならば、もう仕込んでおる。氷を溶かすところから始めるのでは、魔力の無駄じゃからの。最初に船に着いた時に、氷は出しておいたのじゃ」
「……準備がいいな。じゃあま、行ってくるか。勝手がわからねえから、どのくらいかかるか見当もつかねえしな」
「多少熱い程度ならば、わしがどうにでも出来るが。くれぐれも、やり過ぎるで無いぞ。蒸発させることにでもなれば、浴槽が
傷
(
いた
)
むでな」
「心配するところは浴槽ですか、ブライ
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