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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-26船旅
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い。よほど疲れた時か、身体が追い付かぬ時だけじゃ。そこの、見張り台の登り降りをするような時は、使うかの」
「ばあさんに見張りとか、別にさせる気はねえけどよ」
「眺めが良さそうじゃからの。一度くらいは、登っておかねばなるまいて」
「してえってんならいいが。日は照るし風は当たるしで、長くいると疲れっからな。無理すんなよ」
「うむ。つまらぬことでいちいち無理をするようでは、この年まで生きてはおらぬよ。適度に、手は抜かせて貰うでな」


 トルネコがブライに教えながら舵を取り、ある者は見張りにつき、他の者は戦いに備えながらも休憩を取ったり、細々(こまごま)とした作業を行ったりしながら、航海を続ける。
 時折、襲い来る魔物たちは、状況に応じて遠くから魔法で体力を削ったり、そのまま引き付けたりして効率良く片付ける。


 夕刻が近付き、トルネコが言う。

「そろそろ、夕食の支度をしないといけませんわね。ブライさん、舵をおまかせしても、いいかしら。」
「構わぬが。そちらは、任せても良いのかの?」
「ええ。」

 大事を取って戦闘要員からは外れていたクリフトが言う。

「食事の支度なら、私がいたしますわ。戦いではお役に立てていませんし、これくらいはさせてください」
「ふむ。クリフトの料理の腕も、なかなかのものでの。トルネコ殿の料理も、気になるが。任せてみても、良いのではないかの」
「まあ、そうなんですのね。それなら、クリフトさんの、お手伝いに入ることにしようかしら。人数も多いから、さすがにひとりでは大変ですものね。」

 ミネアとマーニャが言う。

「私も、多少はできますが。あまりそちらに人手を()いても、戦う者がいなくなりますね。今回は、おまかせします」
「オレもできねえわけじゃねえが。見張りでもしてたほうが、よさそうだな」

 これにはアリーナが反応する。

「マーニャとミネアも、料理が出来るのか」
「母を、早くに亡くしていますので。父を手伝っているうちに、自然と」
「親父も親父の弟子も、切ったりなんだりの作業はともかく、味付けのセンスってもんが無くてな。必要に駆られてってヤツだ」
「そうか。俺も覚えてみるかな」

 トルネコが言う。

「この先、船旅(ふなたび)の機会も、増えるでしょうから。ご興味がおありなら、ゆくゆくは覚えていただくのも、いいかもしれませんわね。今日のところは、戦いのほうを、お願いできますかしら。」
「ああ、わかった」
「ユウちゃんは、お料理はできるのかしら。」

 話を振られた少女が答える。

野営(やえい)で必要になるから、外で作るやり方は、練習した。台所では、作ったこと、ない」
「そう。それじゃ、野菜の皮を()いたり、切ったりはできるわね。お手伝い
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