第九話「吸血鬼」
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おっと、これは失礼服を台無しにしたな」
タチカゼはすんでのところで見切ったと思った。タチカゼはおもむろに自分の体を見た。タキシードは肌一枚を残してズタズタに切り裂かれていた。
愕然とした。見えなかった。まるで見えない。こいつはなんだ?
ふと伯爵の影が大きく見えた。
タチカゼはおびえるように距離を取る。
その時、伯爵の顔が一瞬怒りで大きく歪んだ。その声は怒りに震えている。
「臆したなぁ?私の前で無様な姿を見せおって、なんだ怯えた犬のように下がりおって、もうちょっとできるかとおもって期待した自分が馬鹿だった。ええい!もう死ね!」
次の一撃は、怯えが入ったタチカゼを容赦なく襲った。あまりの一撃に刀は砕かれ。そして自分は宙に舞いあがり、天上のシャンデリアに串刺しになった。
「ふん、屋敷が人間の血でけがれたわ。執事よ、こいつを十字架にでも吊るして町の連中にさらしてやれ。我が城と屋敷を脅かすものは何人もこうなるとな!はははこれであと百年はわれの繁栄は約束された。天馬なんぞに乗ってきたからどんな傑物かと思えばなんのことはない、ただの臆病な犬だったな」
伯爵の高笑いがあたりに響き。タチカゼは血を吹きだして意識を失った。
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