第20話 有希の任務とは?
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された理由と言うヤツか?」
少し考えた後、小さく首肯く有希。
尚、その少し考えたような空白の間に彼女が発したのは不安。それは、おそらく俺が発した言葉の中に、苛立ちや怒りに似た部分を感じたから。
「人間と、高次元意識体とのコミュニケート方法は、古来より夢を通じて為される。
神からのお告げ。夢の託宣。予知夢などと言われる形。アカシック・リーディングなどもここに分類出来る。
まして、最近は、コンピュータ上の空間を介して接触を持たれる場合も多い。
考えてもみろ、有希。ウェブ上で繋がっている相手が、確実に、現実の世界に存在している人間だと確かめる手段が、普通の人間に存在しているか?」
その言葉を聞いた瞬間、有希に軽い動揺のような物が発せられた。
この反応は素直な驚き。つまり、彼女はこの事実には到達して居なかったと言う事。
「それとな。ヨグ=ソトースとは有機生命体の女性との間に子を為す事が可能な神性だと言われている。この部分に、何か思い当たる事はないか?」
ゆっくりと流れ落ちる時間。軽く、時計の秒針が二周は出来る時間が経過した後、かなり躊躇いがちに首肯く有希。
そして、
この話を開始した当初に俺をみつめていた瞳で、俺を見つめた。
「判った。有希の方に何か思い当たる部分が有るのなら、それが判っただけで充分。その細かい内容に関しては聞く必要はない」
彼女の反応から推測すると、最初に彼女が語った俺に話をしたくない、と言う部分に繋がる内容だと言う事なのでしょう。
それに、ひとつ、確実に判った事が有りますね。
「有希を情報統合思念体などと言う存在の元に帰す事は出来ない。それだけは確実と成ったと言う事やな」
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