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ヴァレンタインから一週間
第20話 有希の任務とは?
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側の状況を外から伺い知る術はなかったはずです。
 それでなければ、上空を黄金色の龍や、その眷属の龍たちが飛び交い、呪いを帯びた真冬の嵐が吹き荒れ、霊装が施された自衛隊の最新装備が対八岐大蛇戦闘に投入される、などと言う異常事態を世界中の人間に知らせる事と成ったはずですから。
 そもそも、自衛隊の治安出動など簡単に認められる訳が有りません。

 まして其処には、ネオナチと、CIAの荒事担当の部署。そして、日本の公安の連中も出張って来て居て、収集の付かない大騒動と成って居たのですから。

 しかし、一九九五年に起きた闇の救世主事件の最後に発生した黙示録の再現。
 処女受胎から始まる救世主のクローン体を式神化しようとした連中の企みに因り、一瞬だけ誕生した偽りの救世主が発生させた呪が、世界中の魔物や妖物の封印を一瞬にして破壊して仕舞った事が有ったはずです。
 黙示録の再現。この事件を画策したと思われる存在の這い寄る混沌の目的は、最終的にはその部分。黙示録の世の再現に因り、すべての死者が蘇ると言う部分を目的にしていたのだろう、と言う推測が行われて来ましたから。

 そして、その事に因って後の事件。地脈の龍の封印が緩み、神として祀られていた地脈の龍が、再び荒ぶる龍八岐大蛇と成って、其処に八百年前に地脈の龍より切り離された怨霊安徳帝が関わり、日本全土を巻き込む騒動へと発展したのですから。

 つまり、ハルヒが起こした情報フレアと似たような現象は、十年、二十年に一度ぐらいの頻度ではこの地球上では起きて居ると言う事。そんなに珍しい事では有りませんから。

「有希。有希が情報統合思念体より造り出されたのは一九九九年七月七日の夜の事やな?」

 俺の問い掛けの意図を探るような瞳で見つめた後、それでも、コクリと小さく首肯く有希。
 その彼女が発する雰囲気も、当然、疑問符。

「それ以前。有希が誕生する前に、同じような現象が起きたと言う事を、情報統合思念体からは伝えられていないな?」

 何となく、俺の問い掛けの意図に気付いた風な雰囲気を発した後、有希は小さく。但し、強く首肯いた。
 成るほど。これは、もしかすると……。
 少なくとも、異世界からキョンやその他一名が顕われた事を水晶宮が掴んでいたとは思えません。それに、もし、その時に彼らが異世界からの侵入を掴んでいたのなら、その二人の接触を防ぐ為に動いて居たと思います。

 おそらく、水晶宮が事態に気付いたのは、その二人。ハルヒとキョンと呼称される存在が出会った後に起きた情報フレアと言う現象の方。
 そして、九五年に起きたのはその黙示録の再現だけでは有りません。その事件の始まり。一九九五年の未だ松の内が開けてから間もない時期に起きた時震と言う異常事態を、銀河開闢と同時に情報を収集する事
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