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ヴァレンタインから一週間
第20話 有希の任務とは?
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て居るのは、

 強盗に襲われて身ぐるみを剥がされ、半死半生となって道端に倒れていた状態から助け起こし、傷口の治療を行い、家畜に乗せて宿屋まで運び、宿屋に怪我人の世話を頼んで費用まで差し出したとされる、聖書に記載される人物の伝承。
 羅?(ラゴウ)星事件が起こり、そのまま経過すれば座して死を待つだけであった長門有希と言う名前の人工生命体に手を差し伸べ、その後、刻まれたルーンの内容を読み、彼女の身柄を思念体から、水晶宮の方に預けてから元の世界に帰ろうとしている俺。
 まして、ハゲンチやノームが集めている貴金属を水晶宮の方に預けて置けば、彼女が生活して行くのに問題はない状態と成るはず。

 そう。俺が、今までに示し続け、そしてこれから先に、この目の前の少女に対して示し続けて行く愛と言うのは、聖書の中に記載されている善きサマリア人が示した『隣人愛』そのもの。

 そうなのですが……。

「細かく何を為したのかについて、話したくなければ、話す必要はない。
 ただ、俺の方は、有希が話したく無くなるようなマネを、情報統合思念体と言う存在が為すように命令して来る存在だと認識するだけ、やからな」

 取り様によっては、かなりキツイ台詞を口にする俺。
 しかし、更に続けて、

「そもそも、生殺与奪の権を完全に握られた相手。更に、自らの造物主からの命令を拒否出来る被創造物は存在しない。
 まして、俺が知りたいのは、その造物主たる情報統合思念体の事」

 俺の式神契約のように、相手の自由意思を尊重する存在ばかりでは有りません。いや、むしろ、それは少数派に属する考え方でしょう。
 その理由は、古来より、下克上。謀反。クーデターなどの所謂、飼い犬に手を噛まれる、と言う事態は、それこそ星の数ほど行われて来た事ですから。
 まして、その反逆を抑え込む為に真名で縛ったり、契約で抑え込んだりするのですから。

 そして、

「今、俺が有希に情報統合思念体の事を聞いている理由は、有希に刻まれた人魚姫のルーンの理由が思念体に有る可能性を考慮しているから。
 せやから、有希が今まで何をやって来たのか。これから先に、思念体からの命令で何をやらされるのか、などに大きな意味はない」

 何故ならば、この世界の未来は変える事が可能だから。

 そもそも、和田さんの言葉から、俺は水晶宮が情報統合思念体と言う存在を警戒していないと予想しています。そして、その部分を出来る事ならば、和田さんの口から説明される前に、有希からの情報から判断して置きたいのです。
 そうすれば、俺が羅?(ラゴウ)星との戦いに赴く事を了承して貰い易く成りますし、俺が羅?(ラゴウ)星と戦い、この西宮に残る伝承通り封印する事に成功した時に……。
 彼女に刻まれたルーンが消え
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