第八十一話 ミラニ……恐ろしい子!
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覆う鎧を身に付けた人物だ。
見た感じでは男か女かは分からないが、雰囲気から相当の実力者だと感じた。
鎧の人物が魔法で次々と対戦者を倒していく。
魔力も相当に高い。
それに動きも俊敏である。
他の対戦者も相手が只者ではないと感じたのか、警戒し始める。
だが、鎧の人物は剣を抜かず、魔法を駆使して闘う。
そして結果、鎧の人物が第十七回戦の勝利者となった。
闘悟はその人物を見つめながら何者だろうと考える。
実況の声を聞くと、名前はスレンと呼ぶそうだが、あのフレンシアでも見たことが無いとのことだ。
ミラニの反応を見ても、どうやら知らないみたいだ。
あの強さなら有名になっているとは思う。
だが兜のせいで顔が確認できないので正体が分からない。
ま、顔が分かったとしてもオレが知らない奴だろうけど。
ミラニほど強者に通じているわけではないので、たとえ鎧の人物が有名人だとしても闘悟は恐らく知らない確率の方が高い。
そのまま次の対戦も終わり、第十九回戦が始まりそうになった時、ステリアとニアが戻って来た。
闘悟の思った通り、二人は各国の代表者に挨拶をしに行っていたらしい。
向こうのVIPルームも、今までにないほどの大会の盛大さに熱を込めて観戦しているらしい。
主にギルバニアが盛り上げているみたいだが。
そしていよいよ、予選二日目最終戦が始まる。
「そんじゃ、ちょっくら行ってくっかな」
そう言って大きく伸びをする。
まるでそこらへんに散歩にでも行くような雰囲気に、周囲の者が呆気にとられる。
緊張など少しもしていない。
いつも通りの闘悟がそこにいる。
「あ、あのトーゴ様……気を付けて下さいです」
相変わらずクィルは心配性だ。
「ま、心配はしてないけど、ケガはしないようにね」
ステリアが気遣(きづか)ってくれる。
「トーちゃんなら優勝間違いなしよ!」
ニアが微笑みを投げかけてくれる。
「ですが、無理はなさらないように」
リアが軽く頷きながら微笑する。
「おお〜トーゴならどっか〜んだな!」
ハロが意味の分からないエールを送ってくれる。
「……殺すなよ?」
ミラニが忠告してくる。
いや、殺さねえよ!
「トーゴ……勝って……ね?」
ヒナは可愛らしくお願いをしてくる。
闘悟は皆に笑みを送ると一言だけ言う。
「ま、見ててくれ」
闘悟は闘いの舞台に歩を進めた。
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