第八十一話 ミラニ……恐ろしい子!
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や)く。
「『花柄』が……どうした?」
うん、これは聞けないね。
だって死にたく……いや、死なないんだけど痛いしね。
それに何だか物凄く怖し!
マジで怖し!
「い、いやぁ……は、鼻が……ら、楽にかめないなぁ……っと。……風邪気味でさ」
「そうか、今夜は暖かくして寝るといい」
「そ、そうだな……」
何とか話を違う方向に向かわせることができた。
闘悟は思った。
ミラニに『花柄』は禁句なのだと。
恐らく彼女にはその言葉にただ事ではない想いを込めているのだろう。
それが正か負かは分からないが……いや、負に間違いなさそうだけど。
とにもかくにも、彼女には二度とその話題を振らないでおこうと決心する。
大会は順調に進んでいった。
ここまでは大番狂(おおばんくる)わせは起きず、有名な人物が勝利を収めていた。
そして、いよいよカイバの出番だが、ここで驚くべきことが起こった。
何と、カイバが勝ってしまったのだ。
本人ですら驚いてはいたが、どうやらカイバの組は、似たり寄ったりの実力者しかいなかったみたいだ。
中にはこういう組もできるとは思っていたが、まさかカイバの組だとは、彼は余程運がいいのだろうと思った。
だが、確かにカイバは運がいい方だが、彼もギルド登録者であり、魔法学園の学生だ。
それなりの実力は持っている。
特に体捌(たいさば)きは見事といっても誤解を生まないほどの素早さを持っている。
彼の使う剣術も特に型など無い感じで、相手はそれに苦労して結局は敗北を喫(きっ)してしまったみたいだ。
闘悟はミラニとカイバの闘いを見て、その後は自分の番が来るまで、椅子で眠りこけていた。
目が覚めた時、まだ自分の番まで時間があった。
「ん? ステリアとニア様は?」
一緒にいたはずの二人の姿が見えなかったので、闘悟はどこに行ったか聞くために声を上げる。
それに答えてくれたのはクィルだった。
「お母様とステリア様はお父様の所へ向かわれました」
「ふうん、そっか」
向こうには父と兄がいるステリアだ。
話でもしに行ったのだろう。
ニアの場合は、むしろここにいることの方が変だ。
本来なら国王であるギルバニアの傍にいる方が自然だ。
彼女も各国の代表者達と話をしに行ったのだろう。
「今って何回戦?」
「もうすぐ第十七回戦が始まりますです」
「つうことはもうすぐオレの番か」
闘悟はそう確認しながら舞台を見つめる。
そして第十七回戦が始まる。
ミラニ戦とは違って皆が一斉に動く。
その中で一人気になる人物がいた。
その人物はフルフェイスの兜と全身を
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