第八十一話 ミラニ……恐ろしい子!
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「とても気持ちの良い結末でしたね」
フレンシアの言う通り、この闘いはとてもスッキリした最後を見せてくれた。
初(しょ)っ端(ぱな)に相応しい闘いだったと誰もが感じた。
「予選二日目! 第一回戦を華々しく飾ってくれた両者に今一度大きな拍手をお願いしま〜す!」
ミラニとベニを称(たた)えるように観客達から盛大な拍手が届く。
それを見ていたクィル達も同じように拍手をしている。
「す、素晴らしかったのです!」
「ええ! 熱くなるバトルだったわ!」
ステリアが合いの手を入れる。
「ん〜ミーちゃんはできる子よぉ〜!」
ニアも両手を合わせながら微笑んでいる。
その場にいる誰もがミラニの勝利を祝福している。
「トーゴ様、ミラニが勝ちましたです!」
嬉しそうに笑顔を向けてくる。
「そうだな、危ない面もあったけど、さすがはミラニだ」
「はいです!」
その後は、モアの掛け声で第二回戦が始まる。
そしてしばらくしてミラニがVIPルームにやって来る。
その姿を発見した クィルがミラニに抱きつく。
「ク、クィル様!?」
いきなりの抱擁(ほうよう)に慌てふためく。
「おめでとうなのです!」
ミラニは頬を染めながら照れるように顔を伏せる。
「も、もったいないお言葉です」
それでも嬉しそうにはにかむ。
「やったなミラニ」
闘悟に声を掛けられ、軽く頷く。
「ああ。まあ、この剣のお蔭でもあるがな」
「いんや、それはただの武器だ。それを上手く扱って闘ったのはお前だ。勝てたのはお前の実力だよ」
「そ、そうか?」
突然闘悟に褒められ目を逸らすミラニ。
少しだけ頬が赤い。
皆も口々にミラニの勝利を称える。
ミラニは恥ずかしそうに頬を染めるが、内心ではとても嬉しく思っている。
やはり勝って良かったと思った。
「あ、ところでよ、ミラニに聞きたいことがあんだけどさ?」
「何だ? 今なら何でも答えてやろう」
余程気分が良いのかいつものように闘悟に軽口(かるくち)を叩こうとはしない。
「おう。あのよ、気になったんだけど、『花柄』って……」
そう言葉にして闘悟は体を硬直させた。
いや、これ以上は言葉を発しては駄目だと本能が言っているからだ。
だってさ、いつの間にかオレの首元に剣が添えられてるからだ。
ミラニは電光石火の勢いで闘悟の背後を取り、剣を闘悟の首元に当てている。
不覚にも反応ができなかった。
ミラニよ……強くなったんだな。
そして、その強くなったミラニが静かに囁(ささ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ