第八十話 さあ、どっちが勝つんだ?
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た。
自分の折れた剣を見ながら目を閉じる。
そして、ゆっくりと振り返り、ミラニに声を掛ける。
「その剣、良い剣だな」
ミラニの持っている剣は、刃毀(はこぼ)れ一つなく光を放っている。
「ああ、私も驚いている」
それは本当の気持ちだった。
今でこそ気がついたが、あれだけの戦闘をして、今も全力で打ち合いもした。
それなのに、新品同様の輝きを放っている。
「やはり規格外だなあの男は……」
呆れたように小さく息を吐く。
この剣は闘悟と対決した時にあっさり折られた剣だった。
だがその後、闘悟は改変魔法で剣を甦らせてくれた。
その時、彼の魔法で強化したとは言っていたが、まさかこれほどの強剣(きょうけん)になるとは思っていなかった。
闘悟の魔力はやはり人外だと改めて感じたミラニだった。
だが、そのお蔭で剣が折れずに闘えたのも事実だ。
ここは素直に感謝しておこうとミラニは思った。
すると、ベニが近くにやって来て微笑を向ける。
「気持ちのいい闘いだった。ありがとう」
「いや、こちらこそ感謝する」
互いに力強く握手をする。
「こ、この勝負! ミラニ選手の勝利ですっ!」
モアの声で周囲の観客からとてつもない歓声が大気を震(ふる)わす。
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