第七十九話 おお、手に汗握る闘いだな
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他の者からの攻撃があるかもしれない。
これは多対一のバトル。
常にそれを意識して幅広い視野を持つことが必要とされる。
身を屈めた拍子で、男の足を払い転倒させる。
その時背後に来ていた別の男の殺気に気づき大きく横に跳ぶ。
男の剣が空を切る。ミラニは今度は剣を抜き、空を切って地面を斬った剣を上から叩き斬る。
まさか剣を斬られるとは思わなかった男は呆気にとられる。
(そう、剣を折られるとそうなるだろ?)
ミラニは自身の経験からくる思いに少し苦笑する。
何故なら彼女自身がその被害を受けていたのだから。
相手はもちろん闘悟だった。
ミラニは男の腹に剣の柄で一撃を加える。
息を吐き出し男は倒れる。
だがまだ襲ってくる者がいる。
今度は火の玉が飛んできた。
ミラニはそれを剣でいとも簡単に切り裂く。
先程から実況が無いが、あまりの攻防の速さに口を挟む余裕が無いのだろう。
切り裂かれた火の玉は左右に分かれて地面に落ちる。
周囲に砂埃(すなぼこり)が舞う。
ミラニはこれが隠れ蓑になると思い、しめたと感じる。
砂埃の中で鈍い音だけが響いている。
何が起こっているのか視認できない参加者達は、その様子を黙って見ているだけだった。
するといきなり魔法の『風の刃(ウインドカッター)』が飛んでくる。
その数は三つ。
それぞれ三人に向かって行く。
三人は剣でそれを防ぐが、威力の大きさに軽く吹き飛ぶ。
砂埃の中からミラニが現れ三人のもとに向かう。
まずは一番近くにいる者に素早く辿り着くと、顔を足で蹴る。
結構むごいような感じで血を吐きながら吹き飛ぶ。
その勢いのままに二人目へと向かう。
少し態勢を立て直していたのか、剣を構えている。
だが、足に力が入っていない。
それを見抜いたミラニは剣で力押しした。
案の定押し負けた相手は次に繰り出された拳をまともに食らう。
そして、さらに首に手刀を落とし意識を奪う。
次は三人目だが、どうやらもう一人は完全に態勢が整っている。
ミラニが舌打ちをしたその時、左右から挟み撃ちで魔法が放たれる。
闘悟なら拳で二つとも弾くだろうが、ミラニにはそんな芸当はできない。
襲い掛かってくる雷と水の塊は剣で防ぐのはマズイ。
何故なら水は雷をよく通すので、感電する可能性が非常に高いからだ。
「なら魔法には魔法だ!」
ミラニは魔力を解放して唱える。
「『風障壁(ウインドガード)』っ!」
風がミラニの周りを覆い始める。
それはミラニを中心に小規模な台風のように螺旋(らせん)する。
それに弾かれるようにして相手の魔法は見当違いの方向へ
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