第二十七話 教会の赤マントその十六
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だけの真剣勝負ですから」
食堂でもパン屋でもそうだというのだ。
「確かに一流レストランみたいに気合を入れまくってグルメと対決、とかはないですけれど」
「やっぱり極端な失敗は駄目ですから」
「そうしたことと比べればか」
「はい、かなり」
「気持ちが楽です」
「そうか、では次だな」
「お寺行かせてもらいます」
「この学校の中の」
次の場所はもう決めていた、それでだった。
二人は赤マントに顔を向けてこう言った。
「じゃあ今日はこれで」
「お邪魔しました」
「それじゃあね、また会おうね」
「はい、今度は飲み会でお会いしますね」
「博士や他の妖怪さん達と一緒の」
その時に会うことを想定しながらだった。
二人は教会を後にした、そしてだった。
愛実は次の日夏休みの部活の場でかるたの用意をしながら聖花にこう言った、二人共上は白い体操服で上は緑のジャージだ。
そのジャージ姿でこう言ったのだ。
「お寺の次はね」
「何処かよね」
「そう、次は神社にしましょう」
「そこね」
行く場所の話をしていくのだった。
「次は」
「ええ、神社仏閣巡りになるわね」
「面白いんじゃない?それも」
聖花はにこりと笑って愛実に返した、今は部活なので眼鏡だが眼鏡をかけたその笑みはいつもよりも知的に見える。
「学生らしくて」
「そうした場所を回るのもお勉強のうちなのね」
「古典とか日本史だとよく出て来るでしょ」
「確かに。現国でもね」
「教会もそうだしね」
こちらは西洋史がメインになる。
「それに百人一首にも関係あるじゃない」
「あっ、京都とか奈良で」
「そうそう、だからね」
「そうよね、平安神宮とかね」
「だからね、そうした場所が学校の中にあるのならね」
それならというのだ。
「丁度いいし」
「お寺も巡って」
「そうしましょう」
「そうね、お寺の泉だけれど」
「本堂とか茶室かしらね」
「そうした場所かも知れないのね」
「ええ、その辺りはまだよくわかってないけれど」
聖花は愛実に話していく。
「一緒に行こうね」
「そうね、それじゃあね」
「二人でね」
今度は寺に神社だった、二人は八条学園の多様性に有り難さも感じながらそうして泉をさらに探していくのだった。
第二十七話 完
2013・2・28
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