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ヘタリア大帝国
TURN69 遅かった復帰その五
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「有り得ない」
「だよな、じゃあ何なんだろうな」
「要塞ではないのか」
 山下もまたこう見ていた。
「あの連中の得意のな」
「それであろうな、やはり」
 宇垣は山下のその予想に同意した。そうした話をしてだった。
 彼等はあらためてドクツについてこう話した。今度は日本が言う。
「このままではですね」
「はい、ドクツが敗れる危険があります」
 日本妹も応える。
「危うい状況です」
「そうですね」
「レーティア=アドルフ総統に何かあったのでしょうか」
 日本妹は怪訝な顔で彼女のことを考えた。
「まさか」
「病気か怪我か」 
 小澤はこの可能性を指摘した。
「それで表に出られないのでしょうか」
「ああ、そういえばここ最近出て来ないねあの人」
 南雲はこのことに気付いた。
「だったらやっぱり」
「過労で倒れたとか」
 小澤もまた真相を何気なく言ってしまった。
「一人の人間に権限を集中させていると仕事が凄いことになりますから」
「独裁国家の特徴だな」
 東郷もここで指摘した。
「権限が集中する、それは即ちだ」
「その独裁者に仕事が集まるのですね」
「その通りだ」
 日本は東郷の今の言葉を聞いて考える顔で述べた。
「確かに優秀な人物なら国家は見事なまでに的確に動きますが」 
「しかし若しその独裁者に何かあれば」
「それで国家は動かなくなりますね」
「そうなる。俺の予想だが」
 東郷もまた予想を立てた。
「あの総統は前からオーバーワークだった。つまりだ」
「過労で倒れましたか」
「そうだと思う。つまり今のドクツは頭がない状態だ」
 それではとてもだというのだ。
「勝てるものじゃない」
「だから組織的な反撃も行えていないのですね」
{確かに優れた提督達がいて装備は最高だ、しかも将兵の練度もいい」
「しかし動かすべき人がいない」
「だから今のドクツは脆い」
 そうなると東郷は指摘する。
「あの総統がいれば即座に補給と整備を行い反撃に出るだろうが」
「今は明らかにそれが出来ていませんね」
「あのまま敗れる可能性は確かにある」
「アドルフ総統が戻らない限りは」
「ドクツ、いやファンシズムの弱点が露わになった
 東郷もこのことは今気付いた。
「一人の人間に権限を集中させ過ぎる」
「それが躍進につながれば停滞にも直結する」
「危ういシステムだな」
「ですね。総統の一刻も早い復帰を望みますが」
「そろそろタイムリミットだ」
 東郷は時間の話もした。
「これ以上表に出ないと手遅れになるな」
「戦線がですね」
「ドクツの戦略は細部に至るまで全てアドルフ総統が取り仕切ってきた」
 だからこそ勝ててきたのだ。東郷は今度は日本妹に話す。
「東部戦線でもアフリカでもだ」
「こ
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