第三十五話〜R2・ゼロレクイエム〜
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な人間でもない。皇帝に相応しいのは“彼女”だ』
シュナイゼルのその言葉とともに現れたのはルルーシュの妹にしてライにとっても大事な存在、ナナリー・ヴィ・ブリタニアであった。
東京決戦で死んだと思われた彼女の登場にライは動揺する。そして動揺するライにナナリーは告げる。
『お初にお目にかかります、ライ陛下。そしてお兄様、スザクさん。私は貴方達の敵です』
ハッキリとそう宣言した彼女の言葉に答えたのはライではなくルルーシュであった。ナナリーはルルーシュに自分がゼロのこともギアスのことも知っていると告げ、これまでの行いは全て自分のためにしたのかと問う。ナナリーは今までの兄の行動を知ってなお、自分が知る優しい兄を信じようとした。だがルルーシュはそんな彼女をあざ笑うように一蹴し、自分達の前に立ちはだかるのなら容赦はしないという言葉を最後にルルーシュはその通信を切った。
そのルルーシュの態度にライは驚く。ナナリーはルルーシュにとっての行動の基盤になっていたのだ。ライはそんな彼女に対してルルーシュが彼女を拒絶するような態度をとるとは思えなかったのだ。
驚いた表情のライにルルーシュは言う。
「ライ、お前は前を見て進め。迷うことも振り返ることもしなくていい」
ルルーシュは覚悟を決めた表情でライにそう語った。
ブリタニア本国に戻ったライは自室で、ナナリーと折った桜の折り紙を手に目をつむって何かを想っていた。
そこにC.C.が入ってくる。ベッドに座っているライの背中にもたれる様にC.C.もベッドに座る。しばらく無言が続くが唐突にC.C.が言葉を紡ぐ。
「ナナリーとルルーシュを戦わせるのが辛いか?」
「……」
「この世界の基盤になっているとも言える、かつてのブリタニアを築いた自分が憎いか?」
「……」
「手放さなくてはならない命が悲しいか?」
「……」
C.C.はライの本音を言い当てていく。そしてこれまで背中合わせであったライの正面に回り込み、C.C.はライの頭を優しく包むように抱いた。
「ルルーシュも覚悟を決めたんだ。お前だけが全てを背負おうとするな」
「でも…あの2人は……」
「お前が思っているほどルルーシュもナナリーも弱くはないぞ」
「……」
それでも浮かない表情を浮かべるライにC.C.は問いかける。
「あの時、お前は“最後まで求め続けろ”と言ったな?」
その問いかけにライは頷きで答える。
「なら、お前も私に何かを求めろ」
「ぇ……」
「私になにかを求めろと言ったのはお前だろう。言った本人が何も求めようとしないのは不公平だ」
そのC.C.の不器用ではあるが暖かい優しさを感じたライはC.C.の背中に手を回し、少しの
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