第三十五話〜R2・ゼロレクイエム〜
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目の前に広がるのは半径数キロのクレーター。それはたった一発の兵器によってなされた傷跡。東京決戦の終結の証とも言えるそれをブリタニア軍も黒の騎士団も呆然と眺めていた。
そんな中、ルルーシュはその場にいる黒の騎士団の全員にナナリーの捜索を命じる。その時の彼は狂気に駆られた表情をしていた。その剣幕に圧倒されていた部下たちであったが、そのルルーシュの命令にライはストップをかけた。
「今のゼロの指示を聞く必要はない。全軍、撤退だ」
「ライ、貴様!」
噛み付いてくるルルーシュをジェレミアとロロに任せ、ライは生き残った黒の騎士団を連れてその場を撤退するのであった。
撤退が完了し、ナナリーを失ったショックから抜け殻のようになっているルルーシュに代わりライは部隊の再編成のための指示を出し始める。そしてそれから間もなく、黒の騎士団の旗艦である『斑鳩』にブリタニアの宰相であるシュナイゼルが訪れる。
そして会談の場を要求してきた彼らに対し、今は出席できる状態ではないゼロに代わり、ライが黒の騎士団側の代表として出席することになる。そのことについて反対するものはいなかった。それほどにライという存在は黒の騎士団内で大きくなっていたのである。
会談が始まり、シュナイゼルは自分が用意した手札として、ルルーシュとスザクの2人の密会の際の音声データ。更には斑鳩で再開したコーネリアから聞いたギアスについての情報を開示し、そしてゼロの正体がブリタニアの王子であることを告げる。そしてブリタニア側は東京決戦が始まる際にフレイヤの警告をゼロに行っていたが、それを部下に知らせてはいなかったことも指摘してくる。
会談に出席していたライ以外の黒の騎士団のメンバーは驚愕し、そしてゼロに対する疑念を強くしていた。そんな彼らにシュナイゼルは問いかける。
「彼を……ルルーシュを我々に引き渡していただけますね?」
「断る」
どこか確認するようなその問いにライは無表情で即答した。これには周りの黒の騎士団の幹部も驚く。そんな彼らを見向きもせずにライは言葉を紡ぐ。
「こちらが必要としているのは、“ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアという正体を持っているゼロ”ではない。黒の騎士団のトップを務めるだけの能力を持っている彼を必要としている。そんな要求を聞く気はない」
ライのその言葉に一瞬だけシュナイゼルが面白そうなものを見る目でライを見るがその表情はすぐに消える。ライの言葉にブリタニア側ではなく黒の騎士団側が異を唱えたのだ。
その場で恐らく、一番ゼロに対して不満を持っているといっても過言ではない人物である扇要がライに言う。
「待ってくれ!彼は自分の都合で俺たちを利用し、そして行政特区でも!」
ブラックリベリオンの原因となっ
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