コラボ編
番外編 剣聖と紫眼の出会い
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うにな」
「安心したまえ。その辺りは心得ているよ」
「あっそ」
得意げに言うアークライトにソレイユは簡素に返事を返す。そして、少し話が脱線していたので本題に戻すことにした。
「で、それがどうしたのよ」
「うむ。このゲームでも屈指の難易度を誇るあのダンジョンであれだけの動きができるのは称賛に値する。改めて君のすごさを実感させられたよ」
「・・・おれそんな目立った動きしてなかったと思うけど?」
「そんなことはない。戦っている最中でも周囲に気を配りいち早く味方の危機に駆けつける。言えば簡単だが行うとなると簡単ではないと思うがね」
「・・・それはどうも」
賞賛の言葉にそっけなく返すソレイユ。だが、それに気にせずアークライトは言葉を続ける。
「しかし、一つ分からないところがあるのだがね・・・」
「?」
「なぜ、あの時レイ君を助けに入ったのだね?」
それを聞いたソレイユはアークライトが言わんとしていることが分かった。通常のパーティーなら仲間だから、と答えるだろう。だが、ソレイユはそういったことは一切しない。仲間と言えど剣を握っている間は助けに入るようなことはしないのだ。
つまりアークライトは君は仲間を助けに行くような性格だったかね?と暗に言っているようなものである。
「そうだなー・・・生半可な答えじゃ、あんたは満足しそうにないしなー・・・ふぅー・・・」
そう言って空を見上げながらため息を吐く。そして――
「―――――――――――――――――――」
と優しげな瞳でどこかを見ながら口にした。だが、その言葉は唐突に吹いた風によってどこかに運ばれていってしまった。目の前にいるにもかかわらずそれを聞き取ることはできなかったアークライトはもう一度聞き直そうとしたが、当のソレイユは席を立ち去って行ってしまった。
◆
――目の前で死んでほしくねぇと思ったからだよ――
果たしてそこからくる思いが何なのか、それはソレイユにしかわからない。親愛か恋慕かはたまた別の何かか。他人が理解するには至らない何かがその言葉には含まれていた。
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