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貰った特典、死亡フラグ
13話:平穏は波乱の幕開け
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 ダレンは何も考えることが出来なかった。なぜマリがここにいるのか、なぜ隣で寝ているのかさえ。何も考えることができないまま、その瞳はただマリを見つめていた。

「…………少女誘拐?」

 ポツリと、誰かが言った。

「はっ……違う! そんなことしてない!」

 その言葉にわれにかえったダレンは必死の否定をした。彼は罪状にそんなものを加えたくないのである。

「なんだ、お前ら。騒がしいが、何かあった…………少女誘拐か?」

「ちっがーーーうっ! 来て早々、変なことを言うな、サイファー」

「何々、どうしたの?」

 ダレンの叫び声で、カレン、ヴェイロンなど全員が集まってしまった。部屋に入るなり、状況を見て固まってしまう。

「ん? 待て、この娘は……」

「そうだよ……マリに見えるよ。ったく、何がどうなってんだよ!」

「落ち着いてください、ダレン。僕たちが部屋に入ったときは既に彼女はいました。何か心当たりはありませんか?」

「そんなのはねぇよ、フォル。でも……何かあった気がするかも……」

 思い出せそうで、思い出せない。頭のもやもやは、全く晴れなかった。

「まー、とにかく、私たちは仕事があるわけで? このことについてはそれが終わってから考えましょう……ダレンの少女誘拐については」

「まさかの確定っ!?」

 この状況をうまくまとめたかに見えたカレンだったが、それは冗談も含まれていた。彼女はこの状況を楽しんでいた。

「ステラ、ダレンと一緒にお留守番お願いね〜」

「わかった、お姉ちゃん」

「それじゃあ、よろしく」

 最後にウィンクを残して、カレンは部屋から出ていった。ステラとダレンを除いた他の者たちも後についていく。

「ふざけやがって、あの女……」

「ダレンお兄ちゃん、ちょっとかわいい」

「はぁ?」

「あんなに慌ててるの、初めて見たから」

「しゃべれるようになったと思ったら、生意気言いやがって」

「えへへ」

 一見、和やかに見える会話のなかでも、ダレンの心は穏やかではなかった。ダレンの想像をはるかに越えることが起こった。今までこの世界では、ダレンがあらかじめ知識として知っていることが起きていた。それ故に、知らないことが起きると、対処ができない。知識というものは、恐ろしい。

「しかし、起きないな」

「えっと、マリさんって、もしかしてお兄ちゃんが前に言ってた女の人?」

「そうだよ、わけがわからないよ」

「まだ、起きないね」

 そう言ってステラがマリに触れようとした時、マリがピクリと動いた。まるで、なにかに反応するように。

「う……ん、あれ、今何時だっけ……」

 マリが起きた。ダレンは動けず
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