第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
第2話:私だって気を使います
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(山奥の村)
リューノSIDE
昨晩はベッドの中で泣いている私の手を握り、シンが優しい声で『大丈夫だよリューノちゃん。必ずお父さんとは会えるから……』って慰めてくれた。
でも泣いている事を知られるのが恥ずかしくて、私は『そんな事分かってるわよ! 私のお父さんは凄いんだから……必ず私を見つけてくれるんだから!』って言っちゃった。
本当は優しくされて嬉しかったのに、どうして素直にお礼を言えないんだろう?
そう言えばティミーやウルフにも怒鳴っているなぁ……
素直になるのって難しい。
そのシンは、今日もバトウってオッサンに剣の稽古を付けてもらっている。
私は剣術の事には素人だけど、お父さんやティミー…大きくレベルを下げてウルフと比べても、彼等は弱く見える。
お父さんが言っていたけど、“実践に勝る訓練は無い!”って事らしい。
こんな村に閉じこめてないで、大人達と一緒に外界で戦闘をすれば、今よりも早く強くなれるだろうに……
無駄に厳しくシンを鍛えているのを見て、そう言おうかなと思ったがめんどくさくなりそうなので控えた。
さて……
今日もハードな訓練を終え、愛しのシンシアに会いに行こうとするシン。
ウキウキとした足取りで、村の池に掛かる橋を渡っている。
すると池の中から一匹の蛙がピョコンと……
そして徐に話し出す!
「剣士様…どうか助けて下さい。私は蛙の姿をしておりますが、本当は蛙ではございません。私はある国の姫…悪い魔法使いによって、蛙の姿に変えさせられてしまったのです!」
「え!? それは大変ですね……」
確かに大変な事ではあるのだが……
“ある国”の“お姫様”って……胡散臭さ大爆発!
何処の世界のおとぎ話だ?
「あ、いえ…慣れれば蛙の姿も楽しいんですけど……」
「はぁ? では一体何を助ければ良いのですか?」
コイツ等は私の目の前で、何を間抜けな会話してんだろうか?
こんなほら吹き蛙は放っておいて、さっさとシンシアの下へ行けばいいのに。
「え〜っと……何を助ける……? え〜っと……あ、大変! 人が来る気配がします」
お人好しなシンが蛙姫(自称)を助ける為、お困り原因を尋ねたのだが……
誰も来やしないのに『人が来る気配がする』って言って、村の地下室へ逃げて行く蛙。
我が一族の90%の人間であれば、シカトして先を急ぐのだろうけど、お人好しMAXのシンは蛙姫の後を追い、地下室へと行ってしまう。
私一人でシンシアの下へ行ってもいいのだが、シンが居ないとガッカリした態度になるので、気を利かせて彼を連れて行こうと思い、渋々私も後を追う。
地下室に下り突き当たりまで進むと、そこにはシンシアが一人で佇んでいた。
まぁ結果オーライだけど……蛙姫は何処行った?
「あら、シ
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