第七十七話 頑張れよミラニ
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で、闘悟の意見を押し付けるつもりはない。
ただやはり、闘悟にとってもミラニは家族みたいなものなので、是非全力を出して結果を得てほしいと思っている。
闘武場に到着すると、ミラニだけが別れて行動する。
すぐに第一回戦が始まるからだ。
「ではクィル様、行って参ります」
丁寧に頭を下げる。
「私は無事だけを祈っていますです」
クィルが不安そうに言葉を放つ。
ミラニが強いということは知っているが、それでもやはり心配なのだろう。
だが闘悟はそんなクィルにある言葉を掛ける。
「おいおいクィル、掛ける言葉が違えよ」
「え?」
クィルは何か間違ったのかと眉を寄せる。
「こういう時は、頑張って……だ」
闘悟の言葉にクィルはハッとなりミラニを見つめる。
すると、ミラニは軽く微笑する。
「ミ、ミラニ!」
「はい」
「が、頑張って下さいです!」
「畏(かしこ)まりました」
クィルの言葉を受け、ピリピリしていた雰囲気が、少し温和(おんわ)になる。
どうやら彼女は緊張をしていたみたいだ。
それがクィルの激励で幾分和(やわ)らいだようだ。
「オレからも一言」
「な、何だ?」
ミラニが意外そうに目を見張る。
おいおい、オレでも激励ぐらいは送るっつうの!
「決勝で闘(や)れるといいな」
「…………無論だ」
ミラニは力強く頷きを返す。
「では」
ミラニはオレ達から離れて闘武場の舞台がある方へ足を伸ばしていった。
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