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東方小噺
半妖教師と人形遣い
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ッター」

 出てきたのは3と書かれたワッペン。どうやらこのワッペン着脱可能らしく、隠していたらしい。半ば反則に思えるが、身に付けてはいてくれるようだ。
 見つかった3番の人形は背中からリボンを取り出し髪を結び、慧音の肩に乗る。
 他にもいるからもしれない、と慧音は人形を一通り調べるが、どうやらこの一人だけらしい。他に探す場所もない。肩の上から頬をぷにぷにと突っついてくる人形とともに慧音は部屋を出――ようとし、ぶつかって動かした棚の位置を戻していないのを思い出して止まる。握っていたドアノブをそのまま引き、開けたドアを締める。
 もにゅん

 否、締めようとして変な感触が手に伝わる。

「うん?」

 慧音が見上げた先、ドアの上部には人形の下半身があった。正確にはドアに腰の部分で挟まれ、逃げ出そうとジタバタしている人形がいた。取り敢えず足を掴んでからドアを開け、捕まえる。

「フェイントヒキョウダー」
「見つけたぞ。取り敢えず諦めろ」

 大体の予想はつく。恐らくだが、この人形は最初部屋の中にいたのだろう。ドアが開いて慧音が入ると同時に外へ出て、中から外に出るときに入り誤魔化そうとしたのだ。タイミングさえ見計らえば出来ない事ではない。そして一度調べたはずの場所にまんまと忍び込めるということだ。

「そう言えば飛べるんだったな。本気で探さないと危ないなこれは」

 2のワッペンを付けたそれは3とは逆の肩に乗り怒りを顕にするように慧音の頭をポンポンと叩く。それを見た3の人形がクスクス笑い、2の人形が怒って慧音の頭の上で喧嘩する。

「ほら、やめないか二人とも」
「バーカバーカ」
「ウルセーオマエノカーチャンデベソー」
「オマエノカアチャンヒンニューブライラズー」
「おい、本人には言ってやるなよ。泣くぞ」

 次の部屋に向かう。が、どうやら鍵がかかっているらしいので次へ。その隣の部屋の中は床に描かれた魔法陣に転がる水銀の瓶。何かを書き殴った紙の束に何故かあるデカイ氷。そして『そこそこ危険』と書かれた紙。カーテンも敷かれ棚も荷物もあり、奥からはどうやら別の部屋につながっているらしい。だが、そこを通るには陣の横を通らないといけないようだ。

「はあ……」

 一体時間内に見つけられるのか。慧音は重い溜め息をついた。
 












「片付けご苦労様」
「やっぱり狙いはそれか」

 ダイニングに戻った慧音にアリスは言う。応えた慧音は首をすくめ、椅子に座る。

「こないだ魔理沙が来たとき色々あってね。他に用があったし片付けるのもめんどくさくて。だから、丁度いいかなって」
「喧嘩は程々にしておけ。それと掃除もだ。片付けられるときに片付けておかないと
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