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東方小噺
半妖教師と人形遣い
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ップのお茶を一口。吟味するように少し眉根を寄せるが、どうやらギリギリ合格点ではあったようだ。二口目を飲み、クッキーをかじる。慧音もそれに続きクッキーをパクリ。ナッツが入ったそれをほうばりながらアリスの答えを待つ。

「最近、少し込み入ってるのよね。そんな暇があるわけではないわ」
「そう時間は取らせないつもりだが……駄目か? 礼もさせてもらうが」
「人形作ったことないでしょ。何を作るかにもよるけど、初心者なら結構時間かかるわよ」
「むぅ……そう言われてしまうと何も言えないな」

 困ったように眉根を寄せ慧音はお茶を飲んでクッキーをぱくつく。大人びた彼女のそんな顔が面白くて、ついアリスは意地悪したくなってしまう。

「私の用事を手伝ってくれるならいいわよ。そっちを手伝っても」
「本当か?」
「ええ。魔法式の効率化と魔道書の翻訳ですけどね」
「うう……それは私には荷が重すぎるぞ」
「何なら私がそっちにかかり切りになれるよう、数日家事を引き受けてくれるのでもいいわ。炊事洗濯掃除……勿論人形たちの相手もね。コキ使ってあげましょうか」
「そ、それなら……ああでも、ずっとあっちを空けるわけにも。いやしかし……」
「いいの? 子供たちに約束したんでしょう? あなたに教えられるのかしら。期待していたのに出来上がるのは呪われそうな繕いだらけの物何て、さぞ落胆するでしょうね」
「……そこまで酷くないやい。酷く……ない、はず。うぅ……」

 呟きながら慧音はクッキーをぱくつく。それがアリスには面白い。慧音は無心で気づいてないが、既に出したクッキーの半分ほどを食べている。それだけ気に入って貰えたとはアリスとしては嬉しい限りだ。実を言うと砂糖でなく塩入りのも試しに作って中に入っている。塩分と糖分を一緒に、何て徹夜頭の思考で作ったものだ。紅魔館に行った際メイドに差し入れしたが、興味深そうにしてた。出来ればこの際に在庫処分をして欲しい。まあ、今はそれはいい。
 もっと……可能なら裁縫とか子供のこととかで慧音を弄りたいが、ここらで止めておくかとアリスは決める。それはまた今度にすればいい。

「ふふ、冗談よ。そこまで要求はしないわ」
「寺子屋を空ければ……子供たちは気にしないだろうかだいじょう……ああ、それも嫌だな。だが……うん? 何か言ったか?」
「だから、さっきのは冗談よ。そこまで忙しいわけじゃないし、話を受けてあげるわ」
「本当か?!」
「ええ――――ただし、ちょっとしたゲームをしましょう」

 そう言ってアリスは微笑む。両手で押さえたカップを膝の上に載せ、慧音に優しい視線を向ける。

「ゲーム……?」
「そうよ。それをクリアしたらおなたのお願いを聞いてあげる。ゲーム自体は簡単。ただの隠れんぼ」
「ほう。アリスもそういった子供
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