第三章
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「屋上で話したわよね」
「何なのかしらね、本当に」
あの時はわからない感じだった、けれど今はたまりかねた感じだった。それを私に見せながら話してくる。
「生きていることってね」
「それで死ぬってこともよね」
「そう、いい人が若くして死んで」
そしてだった、私にこうも言ってきた。
「お姉ちゃん撥ねて死なせた奴は生きてるのよ」
「その居眠りしてた運転手は、なのね」
「居眠りよ、しかも仕事中なのに飲んでてね」
「それで車運転してだったの」
「酷過ぎるでしょ、お姉ちゃんそんな奴に殺されたのよ」
私に泣きそうな顔と声で話してくる。
「何でこんなことになるのよ」
「それは」
「わからない?今も」
「御免なさい」
感情が昂ぶってきていた彼女に。私は首を横に振って答えた。
「どういうことか」
「そうよね、やっぱり」
「どういうことか」
それがだとだ、私は唇を噛み締めて答えた。
「わからないわ」
「そうよね、けれどもうお姉ちゃんはね」
死んでしまった、このことはどうしようもなかった。
「いないから」
「死んだから」
「そう、そうなったから」
彼女は何とか泣かなかった、けれどそれでもだった。
これ以上はないまでに悲しんでいた、私はその彼女を見て何と言えばいいのかわからなかった。
そして私も。ずっと可愛がってくれたお祖父ちゃんが死んだ。九十で大往生だった。
けれど死んだ、今度は私が彼女に話した、場所は部活の前の部室、一緒に入っている吹奏楽部の部室だった。そこで部室のテーブルに着き話をした。
そこでだ、私は彼女に話した。
「お祖父ちゃんがね」
「そうなのね」
「まあ。歳だったし」
この娘とはそこは違っていた、それを考えると事情が全く違うことはわかった。
だがそれでもだった、私は優しかったお祖父ちゃんのことを思い出しながら彼女に話した。
「それに前から身体が悪かったから」
「それでもよね」
「悲しくないっていったらね」
その言葉はだった。
「嘘になるわ」
「そうなのね」
「悲しいわ」
お祖父ちゃんが死んだ時は枕元にいた、家族の皆で。
静かに眠る様に死んでいった、安らかな顔だった。
けれどそれでもだった、私はその時何とか泣かなかった、そして今も泣いてはいない。それでも悲しい気持ちはこの娘と同じだった。
「やっぱりね」
「そうよね」
「そう、悲しいわ」
私はまた答えた。
「とてもね」
「そうよね、親しい人が死ぬとね」
「そうなるわよね」
「それであんたも考えたわよね」
「ええ、生きるってことってね」
それはどういうことなのか、私もここで考えた。
「何なのかしらね」
「人は絶対に死ぬけれど」
けれどもだった、彼女は私に言う。
「生
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