暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第21話 そうだ、王都へ行こう
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食後に父上は食後酒を、私は果汁を飲んでいました。お酒も果汁も、クオリティは高いです。だからでしょう、父上の口からこんな声が漏れました。
「これで何故、私たち以外の客がいなのだ?」
父上の言葉に、スカロン店長が凹みました。それを見た父上はエキュー金貨数枚を取り出すと、適当に酒を持ってくるように言いました。ボトル数本とグラスを持ってきたスカロン店長に、父上は席に着くように言います。その言葉にスカロン店長は、大人しく従いました。
「良かったら話してみないか? 話すだけで楽になるかもしれんし」
スカロン店長は小さく頷くと、ぽつぽつと喋り始めました。
2年前に妻が逝った事から始まり、それまで妻と分担してお店を経営していた事を話してくれました。スカロンさんは経理・酒類の仕入れ・組合を担当し、奥さんが人事・食材の仕入れ・厨房を担当していたそうです。しかし奥さんが急死し、厨房の事を分かる物が居なくなってしまいました。レシピ等も残っていなかった為、店の味が一気に落ちてしまったそうです。コックを雇っても、奥さんと比べると明らかに腕が劣っていました。この状況に料理目的のお客が、パタリと来なくなってしまたそうです。これにより魅惑の妖精亭はもう駄目だという噂が立ち、料理以外の客もどんどん減って行ったそうです。この状況に従業員も、次々に辞めて行きました。(スカロンさんのオカマ化も一因だと思いますが、これは言わぬが花でしょうか?)
この状況を何とかしようと考えた所、料理でダメになったのなら料理で取り返すと言う結論を出したそうです。生前の奥さんの料理を再現し、レシピを書き出し料理で客を取り返す作戦でした。しかし未だに再現できた料理は、メニューに載っていた三品だけだそうです。ただデミグラスソースが完成間近で、これが完成すればメニューは一気に増えるそうです。
原作ではこれから数年かけて、失った信用を少しずつ回復し、繁盛店に返り咲くのでしょう。そしてそれが自信と経験になり、原作のスカロンさんやジェシカにつながるのですね。私は他人事の様に、そんな事を考えていました。そして今私の様な人間が、取引等持ち込むべきではないと思いました。しかし、話はそんな私の思いを無視して進んで行きます。そして……。
「ギルバート。助けになってやれないか?」
父上が突然、私に話を振って来ました。正直に言わせてもらえば、如何するか困っています。
「そ そうですね……」
正直に言えば、簡単な案があります。炭と木炭コンロを、提供してしまえば良いのです。そして店の売りとして、炭火焼を前面に押し出せば客が簡単に集まるはずです。場合によっては王家に卸すついでに、この店に炭を卸しても良いでしょう。後はこの店のクオリティなら、客がいなくなる事は無いはずです
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