第77話 =ぶっ壊す!!=
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、手刀の形を作ったまま横に避け隙だらけな腕めがけて思い切り振り下ろす。昔…というかあの世界で誰かに聞いたが「体術は手刀でシュパッ」が基本らしい。正直できるか不安だったけど何とか成功して、右腕がボトリと地面に落ちてポリゴンとなって消える。さらにそこから踏み込んで残った左腕めがけて手刀を振り上げ残りの腕もスパンと斬ってキャリバーンをその腕から開放させる。…まぁ、キャリバーンを渡したのも俺なんだけど。
「ギャアアアアア!?僕の…僕のがぁぁ!!!」
「悪いけど、終わらせてもらうよ!!」
電子信号という純粋な痛みのみが感じていると思うがそれを気にせずそのまま使ってなかった左腕で拳を作って顎を捉える。腕もなく防御すら出来なかった廣田はそのまま上へと飛ばされ、天井で1回バウンドして落ちてくる。
「歯ぁ、食いしばれ!!龍牙、点穴穿ッ!!!」
落ちてきた廣田の腹、特に鳩尾めがけて止めの正拳突きを繰り出す。なすすべなく攻撃されたので廣田はすごい勢いで壁に飛んでいって激突、重力に逆らわず地面に落ちるとそのまま叫び声を上げポリゴンへと変化していった。
――――――
「……終わったな」
「…そう、ね」
いつの間にか近くに来ていたユカが小さな声で、俺に答えた。それから会話もなく、2人でこの薄暗い部屋をずっと眺めていたが不意にユカが口を開いた。
「ねぇ…リクヤ?」
「どうした?」
「…なんでこんなところまで助けに来てくれたの?」
「なんでって言われても…」
大して深い理由…あったっけか…と考えているがどうにも思いつかない。なので少しの沈黙のあと「助けたかったから」と一言口にしたら聞いてきた本人は一瞬固まった後なぜか苦笑いしている。
「…なにそれ……」
「だって、助けに行くのに理由なんて必要ないじゃん。そんなやましいことを考えてるわけでもないし、てかそんなの考えてたら殺されるって」
「……いま一瞬聞き捨てならない言葉が聞こえたけど」
「気のせいじゃね?」
無理やり会話を終わらせて通常よりか大きくなったウィンドウを開く。あれこれ走査しながらようやくというところで転送関連のメニューを表示させてさらに潜る。使ってて思うけどこれをぱっぱと走査できてたのはすごいな…そんなことで尊敬なんて絶対したくないけど。
「…よし、帰ろっか。俺たちの世界に」
「そう…ね」
「向こうはもう……うわ、9時過ぎてるのか…。病院開いてないぞ、これ…」
「事情話せば通してくれるんじゃないかしら…それか不法侵入」
「犯罪行為じゃん…それ。まぁ、なんとかなるか」
「別にしてもいいけど捕まらないでよね…。でも、やっと帰れるのね…」
「あぁ。2年ってやっぱいろいろ変わってて
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