第77話 =ぶっ壊す!!=
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まるで今まで我慢してきた涙をすべて流しきるかのように、ユカは泣き続ける。水をせき止めていたダムが崩壊したようにどんどん流れてくる。俺はそれを受け止めることしか出来ないが、それでもいい……涙を流すってことはその本人の感情、ユカが廣田の支配から完全に逃れたってことを意味してるから。
こうしてユカはしばらく泣き続けた。
―――――――
「…泣き…やんだ…?」
「……ごめん…こんなの見せちゃって…」
「それはいいけど……っていうかちょっと嬉しかったけど……」
いまだに俺の体に剣は刺さっていて背中まで深々と貫いている。さらにユカが体重をかけてきているのでさらに刺さって…何がいいたいかといえばそろそろ痛いんだ、うん。
「…えっ……あ…」
どうやら気付いてくれたらしくゆっくり離れて腹に刺さった剣を見るとめちゃくちゃ申し訳ない顔をしていた。そして手を剣にかけると一気に引き抜いてくれればいいのにゆっくりと抜いていく。
「…うぐっ……!!……っ…!」
緊張が解けたのか先ほどとは比べ物にならない痛みが電流のように流れる。数十秒かけてすべて剣が抜かれると抜かれた箇所からは変な違和感が…。
「え……その……ごめん…」
「ユカは悪くないって……悪いのは…あいつだよ」
そういいながら向こう側でうろたえている神様を気取っていたゲームマスターへと目を向ける。そんなにユカが自分の支配から離れたのが想定外だったのか今までにないくらい慌てていた。
「な、なんでだ!!何故だぁ!!!僕は神だぞ!この世界を支配している!!」
「…世界は支配できても、人の心まで支配されてたまるか……」
「…う、う、うるさいぞ餓鬼がぁ!!システムコマン「システムログイン…《ソラ》!!パスワード……」な…なんだ…」
自分の頭に浮かんでくる不思議な英数字の羅列を呟き、終了させた途端いまだにすこしだが俺の体を縛り付けていた念力のようなものが完全に祓われる。その光景に不快な表情をすると左手を思い切り真下に振ってウィンドウを開こうとする。が、それと同時に俺の頭の中に声が響いてそれを復唱する。
「システムコマンド、スーパーバイザ権限変更、ID《シンベリン》をレベル1に」
その瞬間、一瞬シンベリンのウィンドウが出たが同じく一瞬で消滅する。
「な、なにぃ!!……神である僕よりも高位IDだとぉ!!……ありえない…ありえないぃ…!!僕は世界の支配者ぁ!!」
すごいくらいに喚いているがこいつが「世界」という単語を何度も使うので絶対に使う機会のない、でも言ってみたいカッコいいなって思った台詞を思い出しちゃったじゃないか。
「お前の世界…か…。だったら、言わせてもらうよ……『お前の世界は、俺が壊し
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