第77話 =ぶっ壊す!!=
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まま腹を貫通し鍔のような部分が腹に触れているほど深々と刺さっている。しかもそれが先ほど投剣を刺されていた場所だからめちゃくちゃ痛む。深々と刺さっているのを確認したユカは口の端を上げて不気味に笑っているが同じように俺も口角をニヤリと上げる。
「……よう…やく……近づけた…!!」
「っ!?」
そう、ここに来てユカは俺に近づいていない。なら剣も投げればいいじゃん!ってなるわけだけどそこら辺は素直なのかちゃんとした剣の使い方で攻撃してくれた。そして深々と刺す為に剣ごとユカは体を俺へと預けてきている。
そのおかげで……
「……やっぱ…微妙に……背、高…いな」
こうして抱きしめれるのだけど。
「……ぅっ!!」
突然のことにユカは体をビクリと震わして離れようとするがそこは俺の筋力値で阻止する。ただ、それにも抵抗されるから動くたびに腹の剣が動いて痛いけど…。
「……もう……1人で…抱え込むなよ……」
「っ!?」
「確かにさ……俺なんか……の…こんな…言葉…、信じられないかもしれない……」
さっき廣田は憎しみでユカを支配したって言った。だったらそれは憎しみの殻に閉じ込めさせた…とも無理やりだけど考えられる。…だったら俺は俺に出来るやり方でそれを壊してやる。
「…しかも……俺が…全部背負う……なんて…カッコいい台詞……も、吐けない」
全部背負えるなんて台詞、ゲームの主人公しかいえないだろ…。
「でも……これだけは……言える…!」
俺の伝えたいことが…伝わってるのかどうかはまったく判らない、でも俺は口を開いていった。
「お前は……絶対に……1人じゃ……ない!!」
サチもリズもシリカもいる。そしてキリトやアスナ、クラインにエギルだって絶対味方だ。そしてリーファやサウスもきっとユカの味方になってくれるはず…俺はそう信じたい。
「…ぅ…ぅそ……」
「嘘…じゃない!!」
久しぶりにユカの声を聞いた気がするがそれを俺は大声で否定する。
「……もし…1人だって…感じても……絶対に…俺はお前のそばにいる!!」
「っ!!」
「……全部じゃなくても……半分くらいなら…手伝うことだって……してやる…!!」
「………本………当…?」
かすれるような、でも確かにユカの声が耳のそばで聞こえる。
「当たり……前だ…っての!!」
俺が全力で本音を放つとユカの剣を握っていた手の力が緩んでその手が腰らへんに回ってくる。そして次の瞬間、なにか水のようなものが肩へと一粒一粒流れてきた思いきやその量はどんどん増えていく。
「…っ…うぅっ……り…く……りく…やぁ……」
そして嗚咽とともにユカの声が聞こえてくる。
「うん…俺だよ……リクヤだ」
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