誓いの言葉
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今日ヴォルフの訓練を受けた者達には、自分達のなすべき事が理解できたのか確かな強い光が宿っているのが木葉には分かった。
自分は戦うことが出来ないけれど、彼女達を助け応援する事くらいは出来るのではないかと思った。
「頑張って下さいね皆さん。私には応援する事くらいしか出来ませんけど」
「はい〜。ありがとうございます」
「ありがとう木葉ちゃん。そろそろ出よっか? 逆上せると後が大変だし」
「そうね」
それぞれが湯船から上がると、ただ一人湯船に浸かっていた小冬が立ち上がった面々をじっと見ていた。
「……」
特に姉二人と椿を見渡してから無言で自分の身体を見下ろすと、目を落として溜息を吐いた。
「どうしたの小冬ちゃん?」
それに気付いた木葉が小冬に話しかける。
「……皆胸大きい。梓とは大して変わんないけど」
「あ〜」
小冬の返答に木葉は困ったように視線を彷徨わせると言った。
「大丈夫だよ! 小冬ちゃんは夏空さんと神無ちゃんの妹なんだから、ちゃんと大きくなるよ!」
「だと良いけど……神無は私と三つ違うけど……私よりずっと大きい……夏空はもっと大きい」
「……」
どうしたものかと周囲を見渡す木葉だが、他の面々は既に脱衣場に入ってしまっていた。
小冬は姉二人に比べて小柄なので仕方ないのではないか? と思うが、そんなことを言っても小冬は納得するとは思えない。
そんなこんなで色々と考え込んでいる内に小冬は一人さっさと上がってしまい、何かを言おうとした時には既に彼女は木葉の前から姿を消しており、同時に逆上せてないかと心配した双子の姉の笹湯が様子を見に来ていた。
そんな姉の姿を確認した時には既に、木葉はすっかり湯当たりしてしまっており、運び出される羽目になった。……そんな光景を小冬がニヤリと笑いながら見ていたという。
次の日からの訓練は前日とは違い、肉体作りとも言える基礎訓練だった。
正太郎だけ槍と楯を構えては収め、また構えて……を繰り返し行うことになった。しかも、抜き打ちで訓練用の水入りの鞠が飛んでくるのだ。コレを確実に防御するのも訓練の一つとなっていた。
ヴォルフの少しずつ数を増やして行く、という言葉に正太郎は顔を引き攣らせたが、強くなる為だと言われた途端やる気を出したのは現金なものだと約二名を除いた全員に思われた。
他の面々の訓練内容は……
・廃材になった柱の木材の上を目隠ししたまま落ちないように歩く事で、平衡感覚を鍛える物。
・体力作りの為の長距離走。
・ヴォルフが投じる水入り鞠を回避し続けて反射神経の強化。
・ナイフや石等の投擲技法。
・モンスターとの不意の遭遇での対処法の講義。
・各自の武器を用いた戦闘訓練。
・
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