第一章 土くれのフーケ
第五話 考察とフラグ
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「え? ええ。“フェニアのライブリー”ですか? 教師のみが閲覧を許されている図書館の一角のことですよ」
「そこを調べれば俺のルーンも何か分かると?」
「ええ多分ですが」
「……ふぅん」
ということは、俺が本当に“ガンダールヴ”だとしたら、コルベール先生にバレるのは時間の問題ということか。
コルベールに悟られることなく軽く溜息を吐いた士郎は、何気なく話題を変える。
「そういえばコルベール先生。俺はこの魔法学院の学院長とあったことはないのですが、どういった方なんですか?」
コルベールは足を止めずに軽く頭を傾げた。
「そう……ですね。とても元気な方で、色々と博識で魔法の実力もハルケギニア最高のものだといってもいいと思いますし、何か問題があったら王室が相談をするぐらいの方ですよ。あとはそうですね。 常に生徒のことを考えており、教師として見習うことが多くある素晴らしい方ですよオールド・オスマンは」
常に生徒のことを考えている、か……。
「それではもし、教師で判断がつかない問題があればオールド・オスマンに相談を?」
士郎の質問に不思議な顔をするもコルベールは律儀に答えた。
「そう……ですね。教師の方で判断がつかないことは、よく相談したりしますね」
ということは、もし俺が本当に“虚無の使い魔”である“ガンダールヴ”だとすれば、それにもしコルベール先生が気付けばオールド・オスマンに相談するということか。
話しているうちに図書館に近くまで着いたのか、微かに本の香りが漂い始めた。
「ああ、ありがとうございました。ミスタ・シロウここまででいいですよ」
コルベールがお礼を言いながら手を差し出してくる。
「コルベール先生……もしこのルーンが何か分かれば教えてもらっても?」
「ええ、もちろんです。それでは、失礼しますよ」
コルベールが図書館のドアに向かおうとすると、それを待っていたかのようにドアが開くと重そうな本を持った女性が出て来た。
長い緑色の髪をした、眼鏡を掛けた美しい女性。
「みっ、ミス・ロングビル」
急に現れた女性。ロングビルにコルベールがどもりながらも声を掛けると。
「あら、ミスタ・コルベール? どうかされましたか?」
重そうな本を憎々しげに見ていたロングビルだったが、コルベールに声を掛けられると、にこやかな顔に変わったのをコルベールは気付かなかった。
「えっ、ええ、少し図書館に用がありまして。ミス・ロングビルも図書館に何か?」
「ええ、もう終わりましたが」
「そっそうですか、それでは、また……」
ロングビルの答えに肩を多少落としながらコルベールは図書館の中に入っていった。
ロング
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